脱力トレーニングは、身体に機能を高めるためのトレーニング法です。
身体の機能を高めるというと筋力トレーニングをイメージするかもしれません。
しかし、筋力トレーニングだけでは筋肉の収縮力を高めることしかできません。
身体の機能を高めるためには、筋肉の収縮力を高めることも必要です。
ですが、それだけでは不十分です。
本番で力を発揮するための集中力(精神力)が必要になります。
そのため、メンタルトレーニングも併用して行われているようです。
メンタルトレーニングの目的は、ゾーンに入ることです。
ゾーンとは集中力を極限まで高めた状態のことで、ゾーンに入ると普段以上の力を発揮することができると言われています。
ゾーンの正体は、「催眠」です。
催眠とは、意識を狭窄させて深い変性意識状態にすることです。
このことで、顕在意識(認識)の力を弱めて潜在意識に働きかけて潜在能力が引き出されフォーマンスが上がるメリットがあります。
ですが、これは火事場の馬鹿力です。
もし、身体のバランスを崩した状態で火事場の馬鹿力を発揮し続けてしまうと身体に負担がかかり、故障の原因にもなります。
その上「催眠」には、とても危険な副作用をもたらす恐れがあります。
危険な副作用とは、自律神経失調症や精神疾患などです。
そして、意識が狭窄させるために視野が狭くなり、身体の感覚も鈍くなるというデメリットがあります。
このようなリスクやデメリットを負わなくても集中力を高めることはできます。
では、人は本来の能力を発揮することができないのか?
この理由が、身体のバランスの崩れだったのです。
身体のバランスが悪くなると、身体の機能がうまく作動しなくなります。
うまく作動しない身体を無理やり能力だけをUPさせようとするのが、催眠の用いた能力開発なのです。
このようなことを続ければ、心身に歪みが伴い、いずれ破綻してしまいます。
人には、身体(心と体)をコントロールしてパフォーマンスを高めるシステムが組み込まれています。
このシステムを発動させるための方法が「脱力トレーニング」です。
脱力トレーニングとは、「骨を中心に身体を動かす」トレーニングです。
脱力トレーニングを行うことで、骨で体を支えることができるようになります。
この時に腹部のインナーマッスルである腹横筋が効果的に働いてくれます。
このことで、重力に体を押し潰されなくなります。
なので、筋肉に負担をかけずにすみ、脳から筋肉に出力情報を出し続けなくてすむようになります。
そうすると、感覚器(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・体性感覚)などからの入力情報を脳が受け取りやすくなります。
このことで、パフォーマンスUPをさせるために必要な、
- 身体の感覚を高める
- 高い集中力(精神力)
- 情報を取集して処理する広い視野
を同時に得ることが出来るようになるのが、脱力トレーニングです。