一般的には「トレーニングはパフォーマンス向上のために行うもの」だという認識が強いかもしれません。
しかし、筋トレで筋肉を鍛えたからと言って直接的にパフォーマンスが向上するわけでありません。
実際に単純に筋肉の力をつけるだけでは筋力はUPにはつながりません。
なぜならば、筋力をUPさせるためには拮抗筋(動作のブレーキになる筋肉)の緊張を起こさないようにする必要があるからです。
もし、拮抗筋が緊張したままトレーニングを行ってしまうと筋力を効果的に発揮できません。
アクセルを強化したままブレーキも強化して前に進めない状態になるからです。
では、何のためにトレーニングを行うのでしょう?
トレーニングを行う真の目的は、身体調整です。
身体のバランスが良くすることで身体の機能が高まり、パフォーマンスが向上することを、ごく一握りの人は気がついています。
例えば、テニスなどのように利き手を多く使うよう競技や野球やゴルフのように一方向の回転運動しか行わないような競技を継続して行うと、動きが偏り、筋肉の付き方がアンバランスになります。
そうなると、左腕より右腕の方が太くなったりして物理的に身体のバランスが悪くなることは想像できると思います。
なので、一流のアスリートは筋トレやストレッチを念入りに行い、物理的に筋肉の量と筋肉の張りを調整して身体のバランスを整えようとするのだと考えられます。
そうすることで、骨格の位置が整い、関節の動きが良くなります。
また、アスリートの中には非利き手でも練習する人もいるとも聞いたことがあります。
競技に関係ない非利き手の練習をなぜ行うのか?
これは、筋肉の張りの左右差を少なくすることと感覚の左右差を少なくするためだと考えられます。
このように、一流のアスリートは、既存にある筋トレやストレッチ、非利き手の練習によって 、筋肉の張りのバランを整えて関節が動きやすいように骨格の位置に整えていることでパフォーマンスUPを図っているように考えられます。
【一般的な認識】
トレーニングを行う
↓
筋力UP
柔軟性UP
↓
パフォーマンスが上がる
【本来の意味】
トレーニングを行う
↓
身体のバランスが整う
↓
関節の位置が良くなる
↓
動きが良くなる
↓
パフォーマンスが上がる
ですが、既存の筋トレやストレッチ、非利き手の練習だけで身体のバランスを整えられるのは、身体感覚の鋭い一握りの天才だけです。
それは、何故なのか?
なぜならば、筋肉の性質が仇になってしまい、
-
筋肉を鍛えよう
- 筋肉の柔軟性を高めよう
とすればするほどパフォーマンスが上がらないという悪循環に陥ってしまうからです。
そのようにならないために考案したのが、大田式調整動作の脱力トレーニングです。
脱力トレーニングとは、「骨を中心に身体を動かす」トレーニングです。
一般的なトレーニングは、筋肉を意識して行いますが、脱力トレーニングでは骨の動きに意識を向けます。
骨の動きに意識を向けることで骨で体を支えることができるようになります。
このことで、重力に体が押し潰されなくなります。
なので、骨や筋肉に必要以上の負担がかからず、関節の動きが良くなります。
このことで、拮抗筋の働きが抑えられ主動作筋がフルに使われ筋肉の性質が仇になることなく効果的に身体の動作を高めることが出来るようになります。
また、
- 脱力トレーニングを行うことによって身体感覚が磨かれる
- 既存にある筋力トレーニングやストレッチの効果を高めることもできる
などのうれしい効果が期待できます。