平均寿命が延びたことにより超高齢化社会となった現代、健康寿命との差が広がり、寝たきりの年数が増えたことが問題となっています。
筋力の低下は、身体の機能の低下ばかりではなく、生活習慣病の原因ともなっています。
そのことから、行政も高齢の方に介護予防の一環で運動を行ってもらう取り組みをしています。
筋肉は、体を構成するうえでとても重要な器官です。
筋肉が使われるによって、体を動くことができ、血液の循環が良くなり、体温を上げることができるからです。
【関連記事】体を動かすことの重要性(結構促進、基礎代謝、骨の強化)
そして、筋肉は年を取ってからでも鍛えることができます。
ただ、若いうちでしたら身体を動かすことも苦ではありませんが、体力が衰えたから身体を鍛えることは、とても困難になります。
それは、加齢とともに腸の働きが落ちるため筋肉が着きにくくなるからです。
そして、筋力は二十歳前後をピークになり、それを境に低下します。
ですので、若いうちから体を動かす習慣を身に付けることが重要となるのです。
ただ、テレビや雑誌などで、「~筋を鍛えましょう!」という文句には、違和感を覚えます。
筋肉を鍛えることはとても重要なことですが、人の動作は筋力の有無だけでは判断できません。
例えば、歩ける人と車椅子の人、どちらが脚の力が強いでしょう?
当然、「歩ける人」だと答えると思います。
しかし、実際には脚の力はあるけど立てない人もいます。
そのような人は、脚の筋肉が縮んで脚を伸ばせない、膝の関節が変形してうまく動かせないという理由から立つことができません。
これらは極端な例かもしれませんが、人の動作は筋肉の柔軟性や関節の可動性などの要素も加味して考える必要があります。
「骨を動かす」ことが筋肉本来の働きだからです。
動作を行う時、いくつもの骨が連動して動きます。
その時に、脳が必要な筋肉に収縮する信号を送り、必要でない筋肉には信号を送らないという判断を瞬時に下しています。
その時に、いくつもの骨が動き、その動きをコントロールするために多くの筋肉が連携をとることで、はじめて体を動かすことができるのです。
そのことを考慮に入れずに、特定の筋肉だけを鍛えてしまうと、筋肉の連携がうまく取れなくなり、動作がぎごちなくなってしまいます。
ですので、骨を動かすことに意識を置いたほうが筋肉を効率的に使うことができ、その結果、筋力もUPします。
筋力は、単なる筋肉の収縮する力ではなく、骨を動かす力のことなのです。
なので、筋肉が大きいから、筋力が強いという訳ではありません。
- 効率的に力を伝えるポジションを取れているのか?
- 力を伝える方向に意識を集中できているか?
ということに意識を向けて動作を行うことが、体の機能を高めることにとって重要です。
筋肉は、単独ではうまく活用できません。
筋肉は連携プレイを行うことによって身体の機能がうまく活用されるようにできています。
- 筋肉は連携プレーが得意
一つの筋肉にフォーカスするのでなく、骨を動かすことにフォーカスしすることが筋肉の力を生かす秘訣なのです。