急ぎ足で歩こうとすると、すぐに疲れてしまう。
その割には、先に進まない。
そのような経験をしたことありませんか?
それは、速く歩こうとするあまり、つま先で地面を蹴って歩いてしまうからです。
ただ、速く動こうとする時、つま先に力を入れようとしがちです。
特にスポーツなどをする時には、つま先立ちに体重を乗せています。
ですが、つま先に体重を乗せたままでは速く動くことができないのです。
では、どのよのようにすればいいのでしょう?
動く瞬間、踵に体重を乗せる
このことで、速く動くことができるようになります。
このことは意外と知られていません。
ためしに、つま先立ちしたまま体を前へ倒れてみてください。
なかなか前に倒れないと思います。
次に、つま先を浮かせてから(踵に体重を乗せた状態)体を前に倒してみます。
そうしたら前に倒れやすくなり、思わず足を出してしまうと思います。
意外に思うかもしれません。
なぜなのでしょう?
つま先立ちの時は、つま先によって体が傾かないようにブレーキがかかった状態と同じだからです。
ですので、つま先を浮かすことで支えがなくなるため体が前に倒れやすくなるのです。
立っている時、両足のつま先で体が前に行かないように支え、後ろに倒れないように丈夫な踵の骨で支えられています。
このように、細い5本の骨で広い面積作って支えているつま先によって、体が支えやすく、動きをコントロールしやすくなっています。
なので、つま先に体重を乗せた状態ですと体が前に倒れませんので、脚の筋肉の力を使って動こうとします。
そうすると力がロスされ、動き出すタイミングが遅くなってしまいます。
ですが、人が歩いたり走ったりするエネルギーを作っているのは筋肉の力ではありません。
その力は、物が落ちる力、重力なのです。
【関連記事】重力と歩行
重力を利用して体を傾けることで、人は、はじめて歩くことができます。
踵を使って体が傾く力(重力)を利用して歩くと膝を後ろに伸ばしやすくなり、努力感もないのに、体が前に動かしやすくなります。
これは、ほんの一瞬のことです。
ですが、スポーツの世界ではその一瞬で勝敗が分かれてしまいます。
このことはスポーツのような特殊な世界だけの話ではなく、一般的な生活を送る我々にとっても大切だと思います。
なぜならば、特殊な世界で活躍している人も、一般的な生活を送っている我々も体の構造にほとんど変わりがないからです。
なので、効率の良い動作を身に着けることは可能ですし、日常の生活にとっても大きなメリットがあります。
ちょっとした体の使い方を知ることで動きが変わるものです。
このことで、体が軽くなると心も軽くなり生活の質も豊かになります。