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先入観

何か行動を起こそうとする時、行おうとすることをイメージします。


それは、自覚しないまま行なわれるため気が付きません。

 

このように、行動の前にイメージを作り、頭の中でシュミレーションしたとおりに実行します。

 

そのイメージを脳が記憶しているからです。

 

しかし、いつもと違う状態、脳にインプットされていない状況の時、そのことは脳の記憶の

中に存在しないので、脳の中で似た経験を探し、その経験を元に脳の中でシュミレーションされます。

 

しかし、その経験を元にシュミレーションしたものが現状と食い違う場合もあります。

 

人には経験したことのない新しいことをやり始めても、そのことに適応する能力があります。

 

子供は、いろんなことにチャレンジしてマスターすることで成長します。

 

それに対して、大人は過去に積み重ねた経験によって作られた世界観を元に行動しようとする傾向があります。

 

そのことによって危険を回避し、安全を確保することができるからです。


しかし、中には今までに経験をしたこともない事態と遭遇することもあります。

 

類似した経験からシュミレーションできればいいのですが、類似するケースがないのにシュミレーションした時に、現実と自身が作り出した世界観とにギャップが生じます。

 

そのギャップが「先入観」です。

 

若い頃でしたら、新たなことにチャレンジしようとする時、チャレンジすることを実現するために行動をおこそうとします。

 

行動することによって、新たなデータが脳に蓄積されます。

 

その過程で、失敗というデータを積み重ねることでプログラムが修正され、成功に導かれるように新たなプログラムが構築される。

 

ですので、新しいことにチャレンジするためには失敗というデータを集めなければいけません。


そのデータを集めるためには行動するしか方法がありません。


ですが、数々の経験を積み、いろんな局面をシュミレートできるようになると、経験を頼りに行動しがちです。


そして、自身の作り出した世界観から離れようとせず、新しいことにチャレンジすることがなくなります。

 

新たに脳のプログラムを構築するには、エネルギーがたくさん必要となるからです。

 

子供の頃でしたら、経験が未熟なのとエネルギーが有り余っているから可能なのでしょうが、大人になると新しいことをやり始めることは容易ではありません。


行動を繰り返して失敗を繰り返すことは、精神的に大きなストレスがかかるからです。


作り上げた世界観崩さずに培った経験を元にシュミレーションして行動しようとするのは、そのためです。


ですが、行動せずにシュミレーションばかり行なっていては、そのことに対する正確なデータを集めることができません。


自身の経験ばかりに頼っていると、今の現実とのギャップが生じます。


これが、先入観だと言えます。


あと、先入観を考える上で大切なことが常識と呼ばれる社会を生きて行く上で必要となる共通認識です。

 

この様な共通認識は子供の頃の教育や社会生活を送る上で身に付くものです。

 

その共通認識が先入観になるわけではありません。

 

今まで共通認識と思っていたことが時代とともにそうではなくなる時、それまでの共通認識と今の共通認識とにギャップが生じます。


その時に、先入観が生まれます。

 

そのように考えると、先入観とは自身の世界観と現実とのギャップなのではと思います。

 

人は自身が作り出した世界観を通して物事を捉えようとします。

 

その世界観は人それぞれにありますので、人によって当然異なります。

 

異なるから、共通認識を持って情報を共有しようとし、その情報を記憶します。

 

時代は常に移り変わりますので、記憶した情報がいつまでも使えるとは限りません。

 

しかし、時代に応じて自身の世界観を変えていくことは容易ではありません。


なので、培ったプログラムをいつまでも使おうとしてしまいます。

 

そうしていくと、時代の波に取り残されてしまうのです。

 

特に現代、時代の流れが速いように思えます。

 

時代とのギャップを埋めるように、意識を外に向けて現実を知るために新しいことにチャレンジし続けることが必要です。

 

そのためには、先入観にとらわれず、世界は常に変化し続けていることを認識すること。

 

そのためには、新たなことにチャレンジし続けられるためのエネルギーを作り出せる身体を作ることが重要だと思うのです。