丹田には、精神の安定、心身の積極的リラックス、肝が据わる(度胸がつく)など精神的効果が広く知られています。
これらのことは、次のようなことが考えられます。
丹田の位置する辺りに腸があり、丹田が作られると腸の働きが活発になります。
腸の働きが良くなると、副交感神経が働きやすくなり、そのため精神的緊張が強いられる時でも交感神経が過度に働かずに済み、程よい緊張状態が作られ緊張に強くなります。
そのため、過緊張を起こしにくくなり、度胸がつくようになります。
なお、腸が活発に働きやすくなることで消化吸収の働きが良くなったり、熟睡しやすくなったりと体にとってうれしい効果を手に入れることもできます。
これらは良く知られている効果です、丹田にはもう一つ、あまり知られていない効果があります。
その効果とは、「身体動作の質が高まる」ことです。
その理由は、体の重心が仙骨(骨盤の真ん中の骨)の内側にあり、その前方にあるのが丹田です。
なので、丹田が作られれば自身の重心をコントロールすることができるようになります。
動作を行う上で体の重心をコントロールすることはとても重要で、体の構造的にも重心を安定していたほうが効率が良いです。
また、体の重心(丹田)の両脇に股関節があります。
なので、丹田ができることによって股関節の動きが良くなるということを意味します。
そして、立って行う動作は脚を動かすにしても、腕を動かすにしても、必ず股関節が起点となります。
それは、体の力の源は脚の力だからです。
股関節の動きが良くなると脚の力を上半身に伝えることができるようになります。
脚の力を上半身に伝える働きも行っているのが丹田です。
丹田が作られることによって身体全体の機能が高めることができるのは、そのためです。