古来より、古今東西、問わず「心とは何か?」と考えられてきました。
哲学や宗教、心理学や脳科学などなど、さまざまな分野で行われています。
身近に感じながら謎の存在。
それが心です。
脳科学の発達によって、以前は謎の多かった脳のしくみが分かってきています。
それでも、まだ謎の部分が多く、ほとんど解明されていないのが現状です。
脳の働きがよく判っていなかったのは、脳が器質的(物質的)に活動する器官ではなく、電気信号を総括する機能的な働きを担っていたからです。
脳の機能はコンピューターでいうところのソフトの部分です。
コンピューターはソフトに書き込まれているプログラムによって起動するので、外からハードの部分を見てデータの内容が分からないのと同じです。
神経の伝達が電気信号という形で行われることが分かったのは近年になってからです。
脳の研究が進むにつれて、脳が心に大きな影響を与えていることが分かってきました。
脳には数多くの神経細胞が存在し、それらが結びつくことによって作られる神経細胞のネットワークによって、記憶したり思案したりすることが可能となります。
それらのネットワークは神経の中を電気が流れることによって、神経間は神経伝達物質を介して行われます。
そして、電気の正体が電子というものによることが分かったのも19世紀に入ってからで、その電子の正体がわかったのは20世紀に入ってからで、原子の周りを囲んでいる粒子であり波であるという2面性のあるものであることが分かってきました。
粒子は物質であり、波はエネルギーです。
そのように考えると、電気のやり取りというのは粒子のやり取りであると同時にエネルギーのやり取りということになります。
脳という器官は、器質的(物質)な働きではなく、電気信号による機能的(エネルギー)な働きの側面が強いように思います。
心や意識というものは、脳の神経細胞の間で行われている電気信号のやり取りという機能的な働きを認識しているものだと考えられます。
例えば、目で物を見ることができるのは、光のエネルギーを目の中にある細胞がキャッチして大脳皮質の側頭葉で処理しているからです。
このことと同じように、頭で考え、考えたことを認識できるのは脳が働いたことによって生じたエネルギーを脳内の脳細胞がキャッチしていると考えると理解できるのではないでしょうか。
脳の働きをキャッチしたのが意識だとすれば、意識はエネルギーだと言えます。
人が活動するためのエネルギーを生命エネルギーだとすれば、意識も生命エネルギーの一つだと考えられます。