人は二本足で立って歩くことができますが、これは、姿勢をコントロールする優れたシステムが備わっているからです。
このように姿勢をコントロールする働きのことを姿勢制御といいます。
姿勢制御は、普段の生活の中で実感することはなく、無意識のうちにコントロールされています。
また、意識して「これを取ろう」と思った時にサッと取ることができるのも無意識のうちに身体の重心が崩れないように姿勢を制御しているからです。
姿勢制御は主に耳の中にある三半規管の平衡覚によって集められ、その情報は小脳で処理されます。
また、姿勢の制御は三半規管の平衡覚ばかりではなく、視覚と体性感覚によっても行われます。
そして、視覚の情報と体性感覚の情報は大脳で統合されて処理されます。
このことで、バランスの取れた安定した姿勢を保つことができます。
特に、視覚からの情報は重要だと言われています。
例えば、目を閉じて片足立ちをすると大きくぐらついてバランスを取りにくいと思いますが、目を開けて行うとぐらつきにくくなり安定して行うことができます。
これは、目から入ってくる情報を元に姿勢の崩れを瞬時に把握して重心が崩れないように脳で処理して、この情報をもとに筋肉に指令を出して姿勢をコントロールしているからです。
また、視覚情報から姿勢を制御する際、目印がない時よりも目印がある時のほうが制御の精度が高まると言われています。
例えば、真っ直ぐな棒を目印にして片足立ちを行うと片足立ちが行いやすくなります。
柱を目印しない場合、視覚からの情報が無意識のうちに処理されます。
それに対して柱を目印にした場合、柱を基準にして重心を安定させるように姿勢をコントロールし続けながら姿勢の誤差をなくすようなフィードバックが働きます。
姿勢がフィードバックされ続けることで、姿勢制御が行なわれやすくなり、片足立ちが行いやすくなると考えられます。
また、姿勢を制御する働きが高まると、体のバランスを微調整する体幹部の働きが活発になり、身体の機能を高めることができます。
このように考えると、目標が明確にすることで目標と行動の誤差をなくすためのフィードバック機能が働き、目標を達成しやすくなることになります。
脱力クリエイトでは、身体の外にある意識(目標)を持つことと身体機能の向上との関係性について概念を「空間意識」と定義し、そのことを利用して身体の機能を高めるために構築したのが空間意識®を用いた脱力トレーニングです。
※「空間意識」は登録商標です。