声の通りを良くするための方法としてダブル共鳴という方法があります。
ダブル共鳴とは、「鼻腔と胸郭の共鳴区を同時に共鳴させる」という意味を込めた大田卓の作った造語です。
ダブル共鳴によって、なぜ声の通りが良くなるのか?
それは、高い音が狭い空洞の鼻腔での共鳴と、低い音が広い空洞の胸腔での共鳴とが同時に起こるためです。
そのようなことが可能な理由に、人には鼻腔と胸腔の大きさの異なる共鳴腔が存在することにあります。
ここで、声の出る原理を簡潔に述べていきます。
声は口腔(口の中)で作られます。
多くの人は、声はのどで作られると勘違いしているかもしれません。
喉では、声の素になる音が作られ、ここで基音の音程が決まります。
試しに、口を閉じたまま声を出してみてください。
声にならないでしょう。
喉で作らてた基音が口の中のあごの骨と舌を巧みに動かすことで複雑な音が作られます。
これが、声です。
この声を共鳴腔で共鳴させて増幅させることで音量を上げることができます。
音を増幅させるためには、共鳴腔という空洞が必要です。
アナログの楽器のボディが大きいのは、共鳴させるための空洞が必要だからです。
人の声には、本来鼻腔と胸腔という2つの共鳴腔を同時に共鳴させて声を出すことが前提に作られています。
ですが、この2つの共鳴腔を同時に使える人は、ほとんどいません。
それは、なぜなのか?
一つは、日本語の言葉の性質です。
日本語は子音が少ないため、舌を巧みにコントロールせずにすみます。
そうなると舌の動きが悪くなり、鼻腔と胸腔の共鳴腔が同時に働きにくくなるなります。
あと、
- 大きな声を出そう
- 遠くまで届かせよう
という思いによって力みによって息を吐きだしてしまうためです。
息を吐きだすと音を乗せた空気が流され、共鳴を起こしにくくなるのです。
このような状態では、高い声は鼻腔、低い声は胸腔といった具合に、それぞれ一つの共鳴腔しか使えなくなり、結果、音量が低くなります。
なので、ダブル共鳴を起こすためには息を吐きださないようにする必要があります。
そのためには、力みは禁物です。
そして、力みの最たるものが腹式呼吸による発声法であり、ダブル共鳴の大きな障害になってしまいます。
では、シングル共鳴とダブル共鳴のとの違いを聞き比べてみましょう!
ダブル共鳴を作るために方法は、空間意識®トレーニングにてくわしく行っております。