人は、頭に来ること、嫌なこと、苦しいこと、などのことがあったら不快に思います。
でも、ある程度、我慢をしなければ円滑に社会生活を送れなくなります。
そうなると、安心した生活を送ることができません。
人は、社会があって安心した生活を送ることができるので、感情にまかせ社会に反することを行ってしまうと爪弾きにされてしまいます。
一人一人が感情に流されないようにしながら社会の一員として生活し、より良い社会を築くことで安心できる生活を営むことができます。
そのために、不快なことがあっても我慢して生活しています。
でも、その我慢が度を過ぎるとストレスとなり心身を蝕んでしまいます。
そのストレスに対して、ストレスを軽減するためにするのがストレス発散であり、辛い現実からの逃避です。
いくら現実を直視して生きるべきだ!とか、プラス思考で困難を乗り越えよう!と試みていても、人はそんなに強くありません。
なので、ストレスから逃避することも大切だと思います。
ストレスからの逃避するための方法は人それぞれあると思います。
例えば、
- ボーと何も考えていない状態( テレビやYouTubeを見ている時)
だったり
- 何かに打ち込んでいる状態(趣味の時間)
だったりします。
このような時に、人は、変性意識という状態になっています。
変性意識とは、意識(顕在意識)弱くなる状態のことです。
例えるなら、妄想を膨らませたりしている時、我を忘れている時が変性意識の状態です。
変性意識自体は、誰でもあり、問題ありません。
1日にうちで、気が抜けたり、ボーとすることぐらいあると思いますが、これも変性意識です。
でも、すぐに我に帰れれば問題ありません。
ですが、それが長い時間だったり、多かったりしすぎると気をつけなければいけません。
このような時に、怪我をしたり、事故を起こしてたりしやすいからです。
これは、変性意識によって脳のバグ(誤作動)を起こしてやすくなります。
このようなことがないように、気を引き締めなければならないことは当然です。
このような変性意識ですが、脱力トレーニングにおいては大きな障壁になります。
なぜかと言いますと、脱力体を作ることの妨げになってしまうからです。
では、なぜ脱力体を作ることを妨げてしまうのか?
そもそも、変性意識とは?
これから、
- 変性意識について
と
- 変性意識が脱力トレーニングの妨げになる理由
などについて述べていきたいと思います。
変性意識とは
変性意識とは、普段の意識(顕在意識)とは異なる意識という意味です。
変性意識については、以前にも記事を書いております。
【参考記事】
- 変性意識からの脱却
- 自己催眠の危険性
- 身近に潜むマインドコントロールの罠
- 催眠(意識が狭窄する変性意識)
- 気をコントロールすることの危険性
- 脱力トレーニングとメンタルトレーニングとの違い
- 脳のバグ(誤作動)を起こす変性意識
- 自己啓発やコーチングが功を奏さないわけ
- 変性意識( 催眠)を用いらない脱力トレーニング
- 負の連鎖を払拭するためには
- 心(感情)は身体で感じるもの
- 痛みや不調と体性感覚
- レイキヒーリングの正体①
変性意識自体は、誰にでもあり、変性意識には深さによってレベルがあると考えています。
簡単に分類したものを下記に記したいと思います。
比較的レベルが低く浅い変性意識は、
- ボーとしてしまう時
- テレビやスマホを眺めている時
- 考え事をしている時
- 昔のことを思い出している時
- 何かに夢中になっている時
など、比較的日常的な誰にでもある変性意識。
ただ、怪我や事故などを起こしやすいので注意が必要。
中ぐらいのレベルでは、
- 今ある痛みや苦痛に囚われている
- 過去の記憶に感情的(不安や恐怖)になる
- 自身の立場に囚われる
- 何らかしらの理念に囚われる
- 常識や習慣、慣習に強く囚われる
など体の不調や過去、置かれている立場や社会的通念などに強く囚われているケースです。
このような時、過去の記憶と現状との境目が曖昧になっています。
このことで、人に振り回されたり、人を振り回しがちで人間関係に悩みを抱えてしまいます。
強い恐怖を感じたり、攻撃的になったり、精神的に一番つらい変性意識状態だと言えます。
ひどくなると社会生活を円滑に送れなくなってしまうこともあります。
深くどっぷりとハマる例は、
- 過去の記憶や不安がなくなる
- 記憶力が上がる
- 潜在意識にアプローチができる
- 頭の回転が良くなる
- 物事の習得ができやすくなる
- 第六感が芽生える(霊的な力が上がる)
- ゾーンに入いることができる
- スポーツなどのパフォーマンスが上がる
- 病気が治りやすくなる
- 人を惹きつけることができるようになる(カリスマ的な魅力が芽生える)
- 毎日がハッピーになり、物事に囚われなくなる
などの一見するとプラスに働く作用があります。
そのため、自己啓発やメンタルヘルス、潜在能力開発などの系統のワークショップで取り入れられています。
ただ、ここまで深く変性意識にどっぷりとハマり込んでしまうと大変です。
自律神経のバランスを崩す自律神経失調や、幻覚や幻聴などが起こるなど精神疾患などを患うなど心身に悪影響を及ぼします。
これは麻薬や覚醒剤などの薬物依存によるハイテンションや悦楽感覚、薬が切れた時の禁断症状そのものです。
薬物依存と変性意識
変性意識にどっぷり深くハマる例として代表的なのが麻薬や覚醒剤などの薬物です。
これらの薬物は、ドーパミンと言う脳内で作られる快楽物質が大量に分泌されます。
ドーパミン自体は、必要不可欠なホルモンで、やる気を出したりするために必要です。
ですが、出過ぎると問題があるため、ある程度分泌されたらセロトニンなど、ドーパミンの分泌を抑制する物質が分泌されます。
このようにして、過度に興奮することが抑えられ、心身に負担がかからないようにできています。
しかし、麻薬や覚醒剤が投与されてしまうと大量のドーパミンが放出されます。
そうなると、普段とは異なる、今までに経験したことのない興奮状態になり快感が得られます。
これこそが深くハマりこんだ強い変性意識状態です。
強烈な興奮と快感を覚えてしまうと、人は、またこの興奮と快感を手にしたくなります。
ですが、すぐにドーパミンの分泌は抑えられます。
それは、脳がドーパミンに反応して興奮しすぎないように、ドーパミンに対してセーブをかけるからです。
そうなると、ドーパミンを取り込む量を制限することによって同じ量のドーパミンでは興奮しないようになります。
これは、興奮しすぎるのを予防するためです。
しかし、その強い興奮が忘れられなくなった人は、なんとかしてドーパミンを出そうとします。
そう、薬物の量を増やすのです。
そして、ドーパミンの分泌量が増えれば、ドーパミンに対する抑制をさらに強めます。
そして、薬物の量と回数が増える。
また、ドーパミンが多く分泌されるとノルアドレナリンという恐怖と攻撃性を高めるホルモンが多くなります。
これにより、交感神経が過剰に刺激され、交感神経の過緊張がおこします。
そうすると、交感神経によって全身が過緊張状態になり、手足が震えるなどの自律神経失調、あと幻覚が見えるなどの精神異常などが起こります。
これが、いわゆる禁断症状です。
禁断症状が出ると強く不快に感じますが、薬物を投与するとその症状がピタッと止まります。
そして、また多幸感を得るために薬物に手を染める。
このようにして、薬物から逃れられなくなるのです。
これが薬物依存です。
薬物に手を染めた人が立ち直れないのは、薬物による多幸感と禁断症状の辛さがあるからです。
このような負の連鎖が起こってしまうのは、ノルアドレナリンの前駆物質(簡単に言うと原料)がドーパミンだからです。
このノルアドレナリンは体にとって必要なものですが、同時に猛毒でもあります。
ドーパミンの過剰な分泌を抑えるシステムが備わっているのは、ノルアドレナリンが過剰にならないようにするためなのかもしれません。
麻薬や覚醒剤は、このシステムを、見事にぶち壊してしまいます。
この負の連鎖を続けるうちに、副交感神経の働らかなくなって内臓の働きが弱まり、身体が疲弊して、心身ともに衰弱し、廃人となります。
なので、決して手にしてはいけないのです。
行為依存と変性意識
しかし、このような強い依存を生み出すものは麻薬や覚醒剤だけではありません。
身近なものでは、アルコールやタバコもそうです。
あとギャンブルもそうですし、買い物依存とか性依存などもあると言われ、最近ではスマホ依存もあると言われます。
麻薬や覚醒剤はドーパミンを放出に直接作用する物質で、アルコールは間接的に作用する物質です。
ですが、ギャンブルや買い物、性行為、スマホに至っては行為なので直接作用しているわけではありません。
なのに、依存症になる人がいます。
これらを行為依存と言います。
これらの行為に共通するのが、興奮です。
人は、ドーパミンが分泌されることで興奮を覚えます。
ですが、ドーパミンの分泌がおさまると自然とその興奮も覚めてきます。
それが普通です。
ですが、その興奮を過剰に求めてしまい、その行為に夢中になる人もいます。
そして、自身の生活、社会的生活など、自身の生活にまで悪影響を与えるまでに夢中になってしまうと、それは病的な依存症です。
例えば、買い物依存症などもそうです。
本来「お金を使う」という行為は「お金が減る」と感じるので出し渋ります。
これは、不快な感情です。
なので、お金を使う時には心理的なブレーキがかかるのが当たり前です。
ですが、深い変性意識状態にどっぷりと入りドーパミンがドパドパ出てしまうと、不快な感情が消え、買い物をするという行為自体の快感しか感じなくなります。
そうなると、あと先構わずお金に糸目をつけずに買い漁ってしまいます。
根底には、お金を使って買い物をする快感によって、抱えている不快なことや感情が忘れられるということがあります。
あと、買い物、特に高い買い物をすると店員さんに好接待を受けることも強い快感につながるのかもしれません。
意識がしっかりとした状態でも、買い物は興奮します。
ですが、お金の心配もします。
このような葛藤を覚えるため、慎重に選び、判断して、最終的に物を購入することに至ります。
ですが、快感が強く、本能(大脳辺縁系)が理性(大脳皮質前頭連合野)に勝り、その衝動に駆られてしまい自制が効かなくなるのが依存症です。
この時、強い変性意識状態にあり、理性(大脳皮質前頭連合野)が弱くなります。
このように苦痛が快感にすり変わり、そのことで社会に適応できなくなってしまうのが、依存症の怖いところであり、変性意識状態の恐ろしさです。
最悪なことには、心身の破綻にまで陥ってしまいます。
これら、行為依存になる背景には、現実の辛い現実からの逃避があります。
辛い現実というのはとても不快なことです。
ですが、そんな中でもドーパミンが分泌されるとハッピーな気分になり、その辛さがなくなります。
そのことを覚えると、不快なことがあるたびにドーパミンが出る行為を行おうとします。
そのことを繰り返すことで、その行為がやめられなくなり、その行為がなければ生きていけないという依存状態になると考えられます。
このことを増長させているのが変性意識の恐ろしさです。
不快を快感に変える変性意識
深い変性意識状態には、不快なことを快感に変えてしまいます。
人は、痛みや苦しみを覚えると不快な気持ちになるのが当たり前です。
ですが、痛みや苦しみを快感に変えてしまう働きも持っています。
痛いことや苦しいことでも行わなければならない行動に対しては、その行動をやめてしまわないように快感を感じるように脳内でドーパミンという精神を興奮させるホルモンが分泌されます。
体を動かしたりする時などにドーパミンが分泌されやすいのは、そのためです。
現在人の生活は、体を大きく動かす機会を意図的に設けない限り、大きく体を動かす必要がありません。
ドーパミンも体を動かしている時に分泌されるのであれば問題ありません。
ですが、体を大きく動かしていない時にもドーパミンが分泌されることもあります。
それが、体内の酸素が不足した時です。
人は何かに一点に集中している時、呼吸が止まります。
そう、
- テレビやスマホを見ている時
- ゲームに夢中になっている時
とかです。
そうなると、息苦しくなります。
酸素が不足することは生命の危機であるため、横隔膜を緊張させて呼吸数を増やそうとします。
このような時、とても苦しいと感じ、苦しさを紛らわすためにドーパミンが放出されると考えられます。
このことで、息苦しさが消え、逆にそれが快感になります。
苦しいはずの状態であるはずなのに快感を覚える。
これが、変性意識のなせる技であり、脳の錯覚です。
体を大きく動かす時、酸素が不足した状態になるので、興奮状態を作ることで横隔膜が緊張させて、呼吸数を多くします。
それと同時に、心拍数も多くなります。
体を大きく動かす時には、全身の筋肉が収縮しているので、心拍数も多くなっても問題ありません。
全身の筋肉が動くことによって末端の方へ流れた血液が心臓へ送り戻されるからです。
ですが、体を大きく動かしていない興奮状態の時でも呼吸数と心拍数が上がります。
このような時は、心臓は末梢の方へ血液を送り出すだけで末梢の方から血液が送り戻されないため血圧が上昇します。
血圧が上昇した状態が続くのは身体にとって大きく問題です。
現代人の高血圧の原因も、体を動かさない興奮状態が続くことも原因の一つかもしれません。
逆に、ストレスに苛まれ続けることで低血圧になる人もいます。
交感神経には血圧を上げる作用がありますが、交感神経が慢性的に緊張し続けると逆に血圧が下がってしまうと言われています。
これは、血圧を上げ続けることに疲弊をしたからなのか、交感神経が優位に働くことによる状態に耐性が出来たからなのか、いずれかで、ストレスがかかり過ぎて、ストレスと戦えなくなってしまったのかもしれません。
この時、ドーパミン が分泌されにくくなったことと、ドーパミン の耐性が出来てしまったことが原因だと考えられます。
これが鬱の状態で、社会生活を送れないぐらい深刻になるのが鬱病です。
これは、おそらく人の持つ人体を守るための防衛手段の一つなのでは?と思います。
このシステムが働く限り、変性意識に深くハマり込むことはできません。
しかし、このような防衛手段を意図的に破壊してしまうのがどっぷりハマりこんだ深い変性意識状態であり、その代表的な方法が瞑想です。
瞑想を行うことで、薬物に頼らなくても深い変性意識状態にはまり込むことができます。
【参考記事】自己催眠の危険性・瞑想の危険性(変性意識のリスク)
瞑想によって深い変性意識状態に入ると苦痛の要素よりも快感の要素を優先的に感じるように感覚を書き換え、その快感に浸ってしまいます。
強い変性意識状態が苦痛をも快楽に変える。
これが、変性意識のとても奇妙なところであり、怖いところでもあります。
変性意識は夢の世界
変性意識とは、ある意味、起きていながら夢を見ているような状態です。
人は、目の前の現実から逃避しようと思ってしまいます。
これは、意識的にではなく、無意識のうちにです。
なので、多くの人は実感できないかもしれませんので、いくつか例をあげたいと思います。
例えば、
- 家へ帰ってきて、すぐにテレビのスイッチを入れたり
- 何気なくスマホを開いてみたり
などなど、目的もないのにテレビやスマホを見ていませんか?
これこそが、変性意識です。
ただ、このことを悪いことだとは思いません。
我々の文明は、変性意識によって発展してきたともいえるからです。
人が怖く、厳しく、辛く、不便な現実から逃避するために、快適に過ごせる生活を夢見て、描いた夢を具現化したのが今の文明の形だと思います。
それは知的好奇心とイメージ力によって夢を描いたクリエーターと、その夢を現実の形にするために多くの人たちの手によって作られた結果です。
そうでなければ、現在のような高度な文明を築くことができなかったでしょう。
ですが、これは、クリエイターだけでは叶いませんし、手足を使って作業する人だけでも叶いません。
しかし、現在、手足を使って現実的な作業をしようとする人が少なくっているように思います。
便利な機械や道具が多くなり、手足を使う頻度が減っているからなのと、手足を使うことの少ないクリエイティブな仕事が増えており、それらの仕事を求める人が増えているからでしょう。
あと、手足を多く使って作業する実務仕事よりもクリエイティブな仕事の方が収入が多く、身体的ストレスが少ないことも背景にありそうです。
そして何より現在社会は、テレビやスマホなどで手軽に見ることができるという夢のような世の中です。
テレビやスマホは、描かれた非現実的な世界(夢)を具現化されたものです。
本来ならば、夢を叶えるためには、手を使い、足を使わなければなりません。
ですが、テレビやスマホはによって夢の中でしか見ることのできない光景を、実際に目で見て、耳で聞いて、興奮したり、感動したりすることができます。
そうなると、夢と現実の境が曖昧になりやすくなります。
このような状態こそが変性意識なのです。
なので、現在人はとても変性意識状態にどっぷりとハマりやすいとも言えます。
昔でしたら、変性意識状態に入るアイテムといえば、酒かタバコ、読み物、音楽や演劇など、とても限られており、それも一部の人間にしか手にしたり、口にしたり、目にしたり、耳にすることができませんでした。
それが今は、酒やタバコは手軽に買うことができますし、小説などよりも手軽に読める漫画やアニメ、ドラマ、映画、なども豊富にあり、特にスマホの普及で外出先でも見ることさえできてしまいます。
これらの娯楽は、非現実世界(夢)を楽しむことで現実を忘れ、現実を生きる活力を与えるためのツールになっていると思います。
また、このような娯楽を通して、いろんなことを学ぶことだってあります。
なので、変性意識をいけない物として敵対視するのではなく、嗜好品的な感覚で取り扱っていけばいいと思います。
お酒も適量でしたら、血行を良くしたり、人とのコミュニケーションを円滑にするなどの効果があります。
しかし、酒の飲み過ぎが健康を害したり、酒への依存が精神を破綻させたりするなど取りすぎると悪影響を及ぼします。
変性意識も同じで、適度でしたら現実のストレスを軽減したり、人生の楽しみを与えます。
しかし、入り込みすぎると体調を悪くしたり、精神が不安定になり、心身が疲弊させ、社会性をなくしてしまうことだってあります。
変性意識にはまりこむことで意識(顕在意識)の働きが弱くなって夢と現実との区別が曖昧になるからです。
そうなると、過去の不快な出来事やその時の感情を思い出されやすくなり、その過去の記憶に囚われてしまうことがあります。
これこそが、変性意識によって見せられる悪夢なのです。
さらに深みにハマると、自身の脳内で自分にとって都合の良い世界が作られます。
すなわち良い夢を見れるようになります。
夢を見ていて起き上がってしまうのは、悪い夢を見た時です。
良い夢を見ていて起きる人はいないでしょう。
それと同じで、深く変性意識にハマり込んでしまうと目覚めることはないのです。
そして、自身が描いた夢(深い変性意識)を現実に投影させられるようになり、現実と大きく乖離(かいり)してしまいます。
その分、常人にはできないことができたり、叶ったりします。
そして、深く変性意識にハマり込んだ人は、変性意識に深く入っている人にとっては魅力的で大きな存在に見えてしまいます。
宗教団体の教祖などがそうです。
そして、自覚のないまま、何らかしらのマインドコントロールを受けて思考と行動をコントロールされてしまいます。
【参考記事】身近に潜むマインドコントロールの罠
人は夢の中の世界が好きです。
無意識の中に夢の中へと入って行こうとします。
なので、深く変性意識にハマりこんだ人の影響を受け、その人が描いた夢にシンクロ(同調)して掌握されるのでしょう。
ですが、潜在能力を引き出し、人心を掌握できるようになったとしても、どこかで帳尻を合わすかのように、何らかしらの代償を伴います。
それが健康だったり、家庭だったり、人間関係だったり、寿命だったり。
人は催眠にかかると暗示によって考えられないようなことを起こすと言われていますが、これは、深く変性意識に入り、暗示によって脳が騙され、脳が司る生命維持の機能が誤作動を起こすからだと考えられます。
このように、深くハマりこんだ変性意識は、脳の機能を騙して、人の持つ能力を引き出し、常人では考えられないようなことをしてしまいます。
しかし、身体の構造にそぐわないことです。
このようなことをやり続ければ、身体に大きなダメージを与えます。
通常だったら、身体の構造にそぐわない動作を行えば、必ず痛みや不快感などが伴います。
しかし、深くハマりこんだ変性意識状態では脳が誤作動を起こしているため、通常の感覚が麻痺してしまいます。
変性意識に深くハマり込むと五感が鋭くなると言われるが、これは自分の都合の良いことだけで、それ以外の感覚は逆に鈍くなります。
なので、身体にそぐわないことを行い続けても、身体が壊れるまで気が付きません。
これが、変性意識の弊害であり、恐ろしさです。
変性意識の弊害
変性意識に深くハマり込むことによって潜在能力を開花させやすくなることは知られています。
ただ、ここで誤解されがちですが、潜在能力を引き出せば何でもできるようになるわけではありません。
例えば、スポーツの初心者が潜在能力を開花させたからと言ってすぐにプロの選手並みにうまくなるはずがありません。
練習して、その動作をしっかりと体に刻み込まなければ意味がありません。
潜在能力とは、元々身についているのだけれど、上手に発揮することができないでいる能力のことです。
なので、練習していない、知らない動作がすぐにできるようになるという能力ではありません。
最も、人が生まれながらにして持っている能力でしたら、練習する必要はありません。
例えば、
- 霊感
- 気の感覚
- 記憶力
などの類です。
これらは、深い変性意識状態に入ると身につきやすいです。
ですが、乱用すると身体に破綻をきたします。
指圧や鍼灸、整体の世界では、名人ほど短命であることは知られています。
この界隈では、
- 患者に気を吸い取られるからだ
とか
- 患者の邪気をもらうからだ
とか言われていますが、これこそが変性意識による弊害なのです。
深い変性意識状態ある施術家は、痛みや苦痛を取り去ることができます。
指圧や鍼灸、整体が全身治療を行うにことには理由があり、
それは、施術によって痛みや不調、苦痛に囚われている意識を他の箇所に移すためです。
痛みや苦痛がなかなか治らない人は、痛みや不調、苦痛を覚えるところから意識が離れず、意識が狭窄した状態になっています。
このことを「催眠」という変性意識状態の一つです。
痛みや苦痛、不調に囚われてしまっている状態も変性意識状態の一つです。
患者の変性意識状態を解除していくことで痛みや不調への囚われをなくし、自然治癒力を高める方向へ導くために行われるのが施術の本来の姿です。
ですが、どっぷりとハマりこんだ深い変性意識状態にある術者にかかると、患者も変性意識に深くハマりこんでしまいます。
このようにして、信頼関係という名の依存、共依存の状態に誘導されます。
そうすると、術者が患者に潜在意識に働きかけて痛みや苦痛、不調への囚われを解除してしまうのです。
そうすると、魔法の手のように痛みや苦痛、不調などを消し去ってしまいます。
中には、怪我で腫れ上がった状態を引かせてしまう人もいるぐらいです。
「神の手」とかもてはやされる施術家というのは、その類です。
ですが、本当は、安易に痛みや苦痛などの症状を取るべきではありません。
ましては、怪我をして腫れ上がった浮腫を引かせるなんて言語道断です。
人には、自然治癒力があり、この世の治療は自然治癒力が働きやすい状況を作るために行われています。
これは、西洋医学でも東洋医学でも変わりありません。
どのような優れた治療法でも、一瞬で壊れた状態が治るということはありえないのです。
そもそも、痛いや苦痛、辛い症状というのは、その箇所が壊れていたり、不具合があったりすることを知らせるためのシグナル(信号)なのです。
なので、その箇所が修復されたり、不具合が解決されない限り、痛みや苦痛がなくなることはありません。
また、怪我をした時に腫れ上がるのは、壊れた組織を修復するためです。
痛みや苦痛、腫れなどの症状が安易に取り除かれてしまうと、その不具合や壊れた組織を修復しないまま無理をして動かし、結果的に組織の修復を遅くらせてしまうことになります。
ですが、痛みや苦痛の渦中にある人は、少しでも早く痛みや苦痛から解放されたいという気持ちが先走り、体を治すことよりも痛みや苦痛を取り除くことを願ってしまいます。
患者は、痛みや苦痛がなくなることを「治った」と勘違いをしています。
そのような患者さんの姿を見て、施術家は「どれだけ早く痛みや苦痛を取り除けるか」ということに苦心し、本質的な治癒という目的から外れてしまいがちです。
私も施術を行なっておりましたので、その気持ちはわかります。
このような的外れなことを具現化しているのが、深い変性意識状態に陥った施術家なのです。
今にして思えば、私自身も実際に深い変性意識状態に入り患者さんを誘導して痛みや苦痛を取るような施術を行なっていたかも知れません。
しかし、実体である人体の自然治癒力は、すぐには働きません。
治癒するためには、それ相応の時間が必要です。
これが、現実であり、自然の摂理です。
その法則を無視するようなことを行い続けていれば、必ず、身体にしわ寄せが伴います。
私自身も、変性意識の乱用によって内臓を痛め、目や鼻を悪くしました。
おそらく、施術で深い変性意識状態になって得た治療効果との引き換えだったのでしょう。
今は、意図的に深い変性意識状態に入るような真似をしなくなったので、内臓も目もだいぶ良くなりましたが、目は完全に治ってはいません。
施術家が変性意識状態に入りやすい理由は、手技の方法と意識の向け方によるものですが、いずれ詳しくお話したいと思います。
ここでは、私自身を例に揚げて深い変性意識状態のメリットをデメリットを述べてきました。
深い変性意識状態になると一見するとミラクルのようなことができるようになります。
人によりますが、カリスマ的になったり、ハイパフォーマンスができたり、気持ちが明るくなったり、クヨクヨ考えなくなったりなどの人生を謳歌するための要素がたくさんあります。
私自身も、深い変性意識状態を経験しているのでわかります。
欲しいものが手に入る、とてもハッピーな状態であり、ある意味、違法な手段を使わずに麻薬や覚醒剤を投与して、しかも禁断症状もないという夢のような状態です。
ですが、今は、このような深い変性意識状態になりたいとは思いません。
身体にしわ寄せがあったということもありますが、人としての成長と進化を止めてしまうことに気がついたからです。
そして何より、変性意識状態では脱力体を作れないことを知ったからです。
脱力体と変性意識状態との違い
脱力体と深い変性意識状態とは、一見すると、とても似た状態になります。
それは、どちらも脱力でき、潜在意識の領域に踏み入れることができるからです。
なので、変性意識を活用する自己催眠を用いたワークを行なっている人に関心を持たれ、お問い合わせいただきます。
ですが、自己催眠系のワークと脱力トレーニングとは、その意味する内容が全く異なり、むしろ真逆と言ってもいいでしょう。
その違いとは?
一番の違いは、潜在意識の取り扱いについての解釈です。
深い変性意識状態では、顕在意識を司る大脳皮質の前頭連合野の働きを弱くすることで潜在意識にアプローチすることで潜在能力を引き出します。
それに対して、脱力体では前頭連合野の働きを保ちながら潜在意識にアプローチする、すなわち顕在意識の領域を広げていくことで潜在能力を引き出します。
そうすると、自己催眠系のワークを行なっている人にとってはとても不都合なことが起こってしまいます。
それが、
- 負の感情が蘇りやすい
ことです。
潜在意識には潜在能力を引き出すためのプラスのものもあれば、過去の不快な記憶などのマイナスなものも混在しています。
自己催眠系のワークは、変性意識になり潜在意識に働きかけて過去の不快な記憶を書き換えてプラスに転換しようとします。
ですが、不快な記憶と感情を消すことはできません。
ということは、不快な記憶は記憶が蘇らないように潜在意識の奥深くにしまい込まれることになります。
ですが、脱力トレーニングを受けると不快な記憶もが認識してしまいます。
せっかく認識できなくしていた不快な記憶が蘇ってしまうのですから自己催眠系の人にとっては不都合です。
人は、みな不快な記憶など無い方が良いと思っています。
ですが、こうも考えられないでしょうか?
不快な記憶のおかげで人は成長できる!と
脱力体は、不快な記憶を糧に日々成長し続けることを実践する身体です。
そして、
- 不快な記憶に囚われない心身になる
そのための脱力体を作るトレーニングが脱力トレーニングです。
支配と被支配の関係を作る変性意識
日常生活の中で「なんかいいように使われているな」と感じることはありませんか?
これも、変性意識のなせる技です。
変性意識にハマっている人は、より深くハマりこんでいる人に勝つことができず、知らず知らずの中に相手のペースに引き込まれてしまいます。
そのことに不快感を覚えているにもかかわらず、言いなりになってしまっているとしたら、あなた自身も変性意識の泥沼にハマりこんでいると思って間違いありません。
もし、相手が自分のペースに持っていこうとしても、自分自身がしっかりと意識を保っていれば、相手の意図を察知することぐらいできるからです。
人の持つ情報処理能力はとても高く、変性意識にある人の意図を認識するぐらいの能力は持ち合わせています。
ですが、変性意識にハマってしまうと自意識(顕在意識)が弱くなり、そうなると思考力と認識力が弱くなります。
そうすると、より深い変性意識にハマりこんだ人の意図に疑う余地もなく、思うがままにコントロールされてしまうのです。
変性意識の世界は、支配と被支配の関係が作られる世界です。
【参考記事】変性意識カースト(人間関係に潜む背景)
よく、「弟子が師匠を超えられない」と言われるのも、深い変性意識状態にあるため「師匠を超えてはいけない」という暗示が師弟の間で共有されてしまうからです。
変性意識の浅い人間は、深い変性意識の人間の言いなりになります。
この言いなりは、上から押さえつけらえる支配ではなく、気持ち良いようにコントロールされて支配されるため、気が付きませんが、人は本能的に支配されることを嫌います。
同時に、身の安全のために、できるだけ支配者に近い上のポジションにいたいと思います。
- 人に支配されることなく支配したい
- 自分の思う通りの人生を送りたい
- 刺激的な生活を送りたい
- お金を儲けたい
などを目的としたいのであれば、自己催眠などを行い、より深い変性意識状態になるためのワークがいいのかもしれません。
なので、自己催眠を取り入れている変性意識系のワークを実践していて満足な方には脱力トレーニングはおすすめいたしません。
なぜならば、脱力体を作るためには、現実を直視しなければならないからです。
ですが、変性意識状態や自己催眠に疑問に感じ、「そこから抜け出したい」と思っているのであれば、脱力トレーニングを行う価値は高いと思います。
脱力体での潜在能力の発揮は顕在意識を用いるため現実的です。
なので、身体に無理がきたり、身体に負担をかけることはなく、健康でいられながら自身の持っている能力を引き出すことができます。
何より、
- 健康的な生活を送りたい
- 心が安らぐ人生を歩みたい
- 人に支配されたくないけれど支配もしたくない
- より良い人生を送りたい
などを目指したいと思うのであれば、脱力体を作った方が良いと考えています。
変性意識からの脱却に立ちはだかる大きな障壁
深い変性意識を脱却したい人が脱力トレーニングを行う際に大きな障壁があります。
その覚悟は必要です。
深い変性意識状態から脱却する過程で、何とも言えない恐怖、体の不調、あと体のだるさを感じられるようになるからです。
あと、不快な記憶と負の感情が蘇り、その波に呑まれそうになります。
これは、麻薬や覚醒剤などの薬物による禁断症状と同じようなものです。
この時、脳の中では、多量のドーパミンの分泌が抑えられ、分泌されたドーパミンによって不安や恐怖を感じさせるホルモンであるノルアドレナリンの量が増えてしまいます。
深い変性意識状態に陥った人が脱力トレーニングを行うと、このような症状を伴います。
これは、好転反応ではなく、本来、感じていなければならなかった負の感情や負の症状です。
それを変性意識で抑えていたのです。
しかし、禁断症状が強いと再び変性意識状態に舞い戻ってしまいます。
人は、極度な不安や恐怖に陥ると現実から逃避することで精神の崩壊を防ごうとするからです。
ですが、克服することはできます。
この時に必要となるのが、セロトニンという脳内ホルモンです。
セロトニンは精神の鎮静と安定を司るホルモンです。
セロトニンには、ドーパミンとノルアドレナリンの働きを抑える作用があり、このことで強い禁断症状を抑えることができます。
セロトニンを分泌させやすくするためには、内臓の働きを高める必要がありますが、直接内臓にアプローチするのは困難です。
この時にポイントになるのが、横隔膜です。
脱力体と深い変性意識状態との大きな違いは、横隔膜の緊張の度合いにあります。
深い変性意識状態にある時には表面の筋肉(表層筋)はリラックスしていますが、深層筋は過緊張状態です。
それに対して、脱力体では深層筋は適度な緊張を保ちつつリラックスしており、過緊張状態ではありません。
これは、自律神経の働きに関係しています。
深い変性意識状態では、常に交感神経が過緊張状態です。
それに対して脱力体では、交感神経の緊張も強いですが、同時に副交感神経の働きも強く、バランスが取れた状態にあります。
このことは横隔膜も例外ではありません。
なので、横隔膜の過緊張を解くことで、内臓に適度な刺激が与えられて内臓の働きが高まります。
内臓の働きが高まると本能(大脳辺縁系)が安心します。
本能( 大脳辺縁系)は、外と脳内の区別がつきません。
なので、負のイメージでも反応します。
逆に、内臓の働きが高まると本能が「危険のない安全な場所にいる」と感じてくれます。
そうすると、負の感情や症状が和らいでくれます。
脱力トレーニングを継続することで、潜在意識の中でゴッチャになっていた思考と感情が整理されて、負の感情に囚われなくなります。
次第に、意識(顕在意識)下で身体をコントロールできるようになり、
- 感情が暴走することがない
- 自律神経のバランスが崩れない
ので、深い変性意識状態のような危険性もなくなります。
脱力トレーニングの中で、心理面で特に効果的なのが「丹田トレーニング」です。
変性意識から脱却する丹田トレーニング
丹田というと呼吸法というイメージが強いかもしれません。
ですが、「丹田を作る」ことと「呼吸法」とは直接関係していません。
そして、呼吸法で横隔膜の緊張を解くことは困難です。
これは、呼吸法で丹田を作ることができないことを意味しています。
なので、脱力クリエイトでは丹田呼吸法を行なっておりません。
「丹田」を作ることで横隔膜の過緊張が解け、深い呼吸ができるようになるという考えです。
丹田を作ることで横隔膜の働きが高まると内臓の働きも高まり、精神が安定しやすくなります。
これが丹田の「不動心」と「精神力」の所以です。
丹田の作用によって、変性意識から脱却する際に生じるネガティブな思考や感情に流されることも少なくなります。
丹田というと、おへその下、下腹部のあたりにあると言われています。
ですが、丹田には3つの丹田があり、下腹部の丹田を下丹田または臍下丹田といい、あと胸に中丹田、頭に上丹田があります。
【参考記事】3つの丹田(上丹田・中丹田・下丹田)
これらの丹田にはそれぞれ役割があり、
- 上丹田は頭の機能、脳の働きを高め、理知的なクリアーな思考を司り
- 中丹田は胸の機能、心臓と肺の働きを高め、体の重みをかけて気分を落ち着かせたり、カッと頭に血が上るのを防ぎ、また体の熱を逃すことで、放出される暖かさとは裏腹に冷静な落ち着きを兼ね備える心理状態を司り(詳しくは「中丹田の効果」を参照)
- 下丹田(臍下丹田)は、おなかの機能、小腸と大腸の働きを高め、体の重心をコントロールして姿勢を安定させることで精神を安定させたり、動作の起点となる重心を操作することで素早いフットワークとそれを行う実行する意思力を司り(詳しくは「丹田臍下丹田とは」「臍下丹田を作るために必要なこと」を参照)
などの役割があり、俗に言われる胆力です。
この3つの丹田をセットで作ることで、思考と感情と意志のバランスが良くなり、心にとって大きなメリットを得ることができます。
なので、変性意識状態から脱却しようとする時の不安定な精神状態を解消し、思考と感情を整理して、不快な過去の記憶や感情も前向きに捉えて前向きに生きることができるようになります。
この3つの丹田をバランス良く作ることで、一番下の臍下丹田の働きを強化することもできます。
臍下丹田の位置には、腸があり、腸に存在する超クロム親和細胞という細胞からセロトニンという精神を鎮静化させるホルモンが作られます。
セロトニンは、精神の安定に関係し、心を落ち着かせる働きがあります。
ドーパミンがある程度放出されたら、セロトニンが分泌されことで精神の均等(バランス)が図られます。
ただ、腸で作られたセロトニンが脳内で作用するかは分かっていません。
脳の関所である血液脳関門をセロトニンが通れるとは考えられていないためです。
あと、腸内環境が良い状態であればセロトニンを作る材料となる前駆物質が作られるとも言われていますが、まだはっきりと分かっていないようです。
ですが、腸には精神を安定させる何らかしらの要因があるとは考えられるので、腸を活性化させることができれば精神も安定しやすくなると言えます。
古来より臍下丹田を作ることを重要視されているのは、そのためです。
変性意識から脱却することで得られる人の可能性
変性意識の世界は、脳の中だけの狭い世界。
言うなれば、夢の中の世界です。
人は、みな、明るく楽しい人が好きで、明るく楽しい自分が好きです。
なので、その状態が長く続くことを好みます。
時には、変性意識の世界を楽しむこともいいとは思います。
ですが、どっぷり入り込むと心にとっても体にとってもよくありません。
なので、静かに落ち着くことも大切です。
明るく楽しいことと静かに落ち着くこと。
このバランスが人として生きる上で大切なのだと思います。
そのバランスを崩してしまうのが、変性意識です。
そして何より、変性意識に深くハマりこむと、自身の人生を歩めなくなります。
人や物、概念に身を委ねなければ、歩み行く道を自分自身で決めることができないからです。
これが、依存です。
薬物に依存すれば薬物依存、行為に依存すれば行為依存、社会通念や常識、教祖の言うことを疑いもなく信じることも依存です。
深くハマりこんだ変性意識状態では、何らかしらに依存しなければ生きていけないと思ってしまいます。
それは、意識が狭窄することで、多角的に物事を見定められずに、多くの可能性を見出すことができないからです。
それに対して、脱力体では、人や物、概念に依存することはありません。
もちろん、人間一人では生きていけるほど強くはないので、何らかしらに身を委ねる必要はあります。
その対象となるのが、地面であり、空間です。
これが、自分の体の重心と地球の重心を繋ぎ宇宙にまで伸びる垂直抗力のライン「身体軸」です。
身体軸を得ることで、はじめて、人として潜在している能力を発揮することができます。
しかし、変性意識に陥ると身体軸が消失してしまいます。
なぜかと言いますと、依存したい方に意識が引っ張られ、同時に自身の重心も引っ張られて身体軸が崩されてしまうからです。
そうなると、自身の重心と地球の重心とを繋ぐ身体軸が消失してしまいます。
なので、変性意識に陥ってしまうと一人よがりになり、誰かしらに、何がしらに依存しなければ生きていけなります。
逆に、身体軸を常に持っていれば、相手にいいようにコントロールされることはなくなります。
身体軸は、地面に身を委ねることではじめて得ることができる、自身と地球、地球と宇宙との関係性を繋ぐラインです。
【参考ページ】身体軸について
身体軸を得ることによって認識できる世界は、現実の世界そのものですが、我々が日常で感じる身近な出来事だけが現実ではなく、もっとそれよりも広い世界のことです。
自身の感覚(意識)の領域(範囲)が広がれば、物と捉え方、考え方、見え方が変わります。
そうすれば、多角的に物事を見て、総合的に物事を考え、物事の本質を掴めるようになります。
物の捉え方、考え方、見え方が変わると心配事が減って、芯からリラックスし、心の安らぎが得られます。
このことで、人と人との良好な関係性を見出せるようになり、人生が好転し、幸せな生活を送ることができます。
そして、人の持つ可能性を見出すことができるようになります。
そうすれば、人の持つ潜在能力を無理なく発揮することもできます。
これが、脱力クリエイトの提唱する空間意識®︎であり、それを体現する脱力する身体です。