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腰痛が改善されない理由(腰痛を自力で改善する方法)

「異常はない」と言われるのに、何をやっても改善されない、しつこい腰痛。

 

もしかしたら、《腸腰筋》が原因かも。

 

腰痛には、さまざまな原因があり、決定的な治療法もなく長く患われる人も多いかと思います。

 

腰の筋肉の問題だったり、骨盤の歪みだったり、腰の神経の問題だったり、さまざまな原因があります。

 

月〈ニクズキ〉に要〈かなめ〉と書いて腰というように、腰は体の要になり、腰が痛いと体全体の動きに大きく影響します。

 

なので、腰がつらいと体を動かすのも億劫になるものです。

 

なかなか改善されない腰痛を抱える人に共通したことがあります。

 

それは、

  • 股関節が硬い

ということです。

 

股関節のまわりには多くの筋肉が着いていて、骨盤と脚とをつないでいます。

 

そのなかに、腸腰筋という体の内側を通り腰と脚とをつなぐ筋肉があります。

 

腸腰筋は大腰筋と腸骨筋という二つの筋肉の総称で体の内側の筋肉(インナーマッスル)です。

 

その役割は大きく、“体幹部を支える”もっとも重要な筋肉なのです。

 

腸腰筋は腰痛改善の重要なポイントになる反面、アプローチすることが難しい筋肉でもあります。


 

左右の腸腰筋の張りのバランスが崩れると骨盤が傾いてしまいます。

 

そのことが、さまざまな体の不調の原因になり、慢性的な腰痛もその一つです。

 

骨盤が傾くことで骨盤の上に乗っている背骨や胸郭、頭が傾きます。

 

体を支えるためにバランスを取り続けようとして、腰や背中、肩や首の筋肉を緊張させてしまいます。

 

そうすると、筋肉の緊張状態が長く続き、筋肉が疲労し血行が悪くなります。

 

腰は体の中心で、上半身を支える所でもあるので、腰に大きな負担がかかりやすく、腰の筋肉に負担がかかり腰痛になるのです。

 

さらに腸腰筋の張りのバランスが悪くなると股関節や膝関節のアライメントが悪くなり、股関節や膝関節に負担をかけてしまいます。

 

そのことによって関節が変形し、関節の痛みを引き起こす原因ともなります。  

 

関節の変形が起こると二度とは戻りません。

 

なので、そうなる前に関節の変形を引き起こす原因となる股関節まわりの筋肉の張りのバランスを整える必要があるのです。

 

また、腰痛と言っても様々なものがあり、代表的な腰痛

  • 急性腰痛(ギックリ腰)
  • 椎間板ヘルニア
  • 脊柱管狭窄症

と、腰痛の8割と言われる

  • 心因性腰痛

と、

  • 腰痛の予防と改善のためのエクササイズ

について述べていきたいと思います。

急性腰痛(ぎっくり腰)

突然、腰に激しい痛みが起こるのをギックリ腰といいます。

 

ギックリ腰とは、腰に急激な痛みを生じるもので、医学的には筋・筋膜性腰痛(腰の筋肉の肉離れ)と言われています。

 

あと、腰椎椎間板ヘルニア(腰のヘルニア)のように神経に悪影響を及ぼすものもあります。

 

腰のヘルニアの主な症状は、激しい腰の痛みと共に腰から足にかけての放散痛と脚に強いしびれが生じるのが大きな特徴です。

 

あと、内臓の病気や骨の病気などが原因で急に腰が痛くなることもあります。

 

ですので、ギックリ腰になったら念のために病院で診察してもらうことをおすすめします。

 

ギックリ腰といっての原因はさまざまですが、ここでは代表的な筋・筋膜性腰痛のことについて述べたいと思います。

 

筋・筋膜性腰痛とは、腰の筋肉と筋肉を包む筋膜が壊れ炎症が起こることによって痛みが生じるものです。

 

簡単に言えば、腰の筋肉が肉離れを起こすことです。

 

その痛みも炎症が治まると共に一週間ぐらいで消失します。

 

ですので、腰の筋肉の炎症がひどくならないように無理をしないことが一番の治療なのです。

 

よく、「ギックリ腰になったから整体に行こう」ということを耳にしますが、おすすめしません。

 

なぜかと言いますと、本来は炎症が治まるまで無理をしないように「痛み」という信号を体が発信しているのに安易に症状を取ってしまうと無理をしてしまい、逆に体に負担をかけてしまうからです。 痛みがある時には治療をして楽になりたいと思うものかもしれません。

 

しかし、痛みが治まってからのケアの方が重要なことは、ほとんど知られていません。

 

よく、「ギックリ腰は癖になる」とよく言われるのは、痛みが治まってからのケアを怠った結果なのです。

 

筋肉の炎症が治まり痛みがなくなったので、「治った」と思うのかもしれません。

 

しかし、炎症を起こした筋肉自体は修復されても原因となっている腰の張りは改善されずに放置されたままなのです。

 

腰の張りの原因は、日常生活の習慣から来るものです。

 

そして、その習慣によって内臓が疲弊し、内臓の働きが落ちてしまいます。 そのことが原因で腰の筋肉が固くなるのです。

 

内臓と腰、一見関係がなさそうに思われるかもしれません。

 

しかし、内臓と腰との密接な関係にあるのです。

 

指圧の治療でも、腰の緊張を取ってから内臓の働きにアプローチしたり、おなかにアプローチして腰の緊張を取る方法を行っています。

 

それは、脊髄で腰の筋肉につながる神経と内臓につながる神経とがネットワークで結ばれているからです。

 

なので、ギックリ腰になったら無理に痛みを止めようとせず、炎症が治まるまで無理をしないことで内臓の働きも整いやすくなります。

 

そして、痛みが治まったら、今までの生活を見直すことが大切になります。

椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア ヘルニアと言うと腰痛を思い浮かべる人が多いと思います。

 

腰痛を起こすヘルニアの正式名称は腰椎椎間板ヘルニアです。

 

ちなみに、ヘルニアとは「はみ出る」と言う意味です。

 

腰椎とは腰にある背骨の骨で、椎間板とは背骨と背骨との間にあるクッションの働きをするものです。

 

なので、腰の骨の間にあるクッションがはみ出るという意味で腰椎椎間板ヘルニアと言います。

 

その背骨の後ろ側には脚につながる神経があります。

 

椎間板がはみ出ると脚につながる神経を刺激して、その神経の通りを悪くします。

 

そのことによって、痛みが出たり、しびれたり、神経が麻痺したりするのです。

 

症状は、ある日突然起こることが多く、ぎっくり腰(筋筋膜性腰痛)と間違えられやすいのですが、腰の他に脚にも強い痛みが表れたれ、強いしびれや感覚障害、筋力低下などの症状が表れるのが特徴です。

 

強い痛みとともに、しびれたり、力が入りにくくなります。

 

このことで、体を動かしたくなくなります。

 

ですが、体を動かさなければ、かえって症状が悪化してしまいます。

 

これは、神経の障害によって筋力が低下するためです。

 

なので、意識して動かさなければ他の箇所の筋力も低下し、はみ出た椎間板にさらに負担をかけてしまいます。

 

以前は、はみ出た椎間板を取り除くために大掛かりな手術を行っていましたが、今はほとんど手術を行いません。

 

なぜかと言いますと、はみ出た椎間板を免疫細胞が処理して神経の刺激がなくなることが分かってきたからです。

 

例外的に手術を行うのは、排尿に関わる神経が刺激されて排尿障害が出るケースです。

 

この手術も、以前は腰に大きくメスを入れて行われていましたが、今は内視鏡で行うことが多くなっています。

 

内視鏡で行うメリットは、メスを入れる範囲が狭いため傷の回復が早く、すぐにリハビリを行えることです。

 

手術をしても、しなくても(保存療法)リハビリは必須となりますので、なるべき体を傷つけない方法が採用されます。

 

なぜリハビリが必要なのかと言いますと、脚の筋力が低下するからです。

 

脚の筋力をつけなければ背骨にかかる負担も大きくなります。

 

そのことで、はみ出た椎間板が神経を圧迫して症状が悪化してしまいます。

 

神経の通りが悪くなるので、力が入りにくくなります。

 

このことで筋力が落ちて椎間板にかかる負担が大きくなり、さらに神経の通りが悪くなると言う悪循環を起こします。

 

そこでリハビリでは、はみ出た椎間板によって圧迫されて通りの悪くなった神経に刺激を与えながら筋力をつける訓練を行っていきます。

 

この訓練を繰り返すことで、脚の筋力が回復して椎間板にかかる負担も軽減します。

 

そうするうちに免疫細胞がはみ出た椎間板を処理することで椎間板ヘルニアによる症状が改善されます。

 

それまでに要する期間はおおよそ3ヶ月ぐらいといわれています。

 

しかし、それまでの期間、痛みや不快な症状に悩まされます。

 

椎間板がはみ出るぐらいに負担をかけた、そもそもの原因は体の歪みです。

 

特に、椎間板ヘルニアで問題となるのが、骨格のねじれによるものです。

 

骨格のねじれの原因は、骨と骨とをつなぐ筋肉の張りのバランスが悪くなることによって起こります。

 

なので、骨格のねじれが強らないように、体のバランスを整える習慣を身につけることが椎間板ヘルニアを予防にとって大切だと言えます。

脊柱管狭窄症

坐骨神経痛という言葉を耳にすると思います。

 

坐骨神経痛とは、腰椎(腰の骨)から脚にかけて出ている神経です。

 

先に述べた腰椎椎間板ヘルニアも強い坐骨神経痛の症状が表れます。

 

坐骨神経の通り道に痛みやしびれなどの感覚障害、筋力低下などの運動障害が見られる症状のものを総称して坐骨神経痛と呼ばれています。

 

坐骨神経痛の代表的なのが腰椎椎間板ヘルニアですが、その他に脊柱管狭窄症があります。

 

脊柱管狭窄症とは、加齢によって背骨が変形したり、靭帯が厚くなることで背骨の中を通る神経を刺激して、そこから出ている坐骨神経上に痛みやしびれなどの神経障害が生じるものです。

 

主な症状は、間欠性跛行といわれるもので、長い距離を歩くと脚に痛みと痺れが生じる症状が表れます。

 

特に腰を反らすときにこの症状が強く表れ、腰を丸めると症状が緩和されます。

 

これは、腰を丸めることで神経の圧迫が弱まるからです。

 

そもそもの原因は、腰のまわりの筋肉の張りのバランスが悪くなることによって腰の骨に負担をかけ、その中を通る神経を圧迫しやすい状態になることで起こります。

 

なので、腰のまわりの筋肉の張りのバランスを整えない限り、脚の症状が改善されることはありません。

 

あと、脚につながる神経に麻痺が起こり脚の筋力が低下します。

 

脚の筋力が落ちると腰にかかる負担も大きくなるので、さらに症状が悪化します。

 

ですので、脚の筋力の向上とともに筋肉の張りのバランスを整えることが重要になります。

 

初期のうちでしたら、治療を繰り返すうちに改善されますが、長期間患ったもので神経症状が強いものは、なかなか改善されません。

 

それは、痛みをかばう姿勢を取り続けることで、筋肉に腰が曲がる癖がついてしまうからです。

 

そうなってしまうと腰のまわりの筋肉の張りのバランスを整えることが難しくなります。

 

本当は、腰を伸ばさなければ改善されないのですが、腰を伸ばすと痛みが強くでます。

 

なので、痛みの起こりにくい腰を丸めた姿勢をとり続けてしまいます。

 

その姿勢をとり続けることで体幹部の中にある体を支える筋肉が使われなくなり、まっすぐに伸ばす姿勢をとることができなくなります。

 

そうなると、腰を丸める姿勢を強いられて姿勢が悪くなります。

 

姿勢が悪くなると腰の骨に負担がかかりますので、さらに症状が悪化してしまい悪循環を繰り返します。

 

そうしていくうちに骨が変形してしまいます。 一度変形した骨は元には戻りません。

 

そうなる前に、慢性的な腰痛が続いていたと思います。

 

その段階で、筋肉の張りのバランスを整える習慣を身に着けることが、健康であり続けるために必要だと思います。

腰痛の8割を占める心因性の腰痛

腰痛の原因の8割が原因が不明だと言われています。

 

それは、レントゲンやCT、MRIなどの画像検査、整形外科的な検査で異常が見られないという解釈で原因が不明ということです。

 

器質的に異常がないのに痛みが起こる。

 

なので、その原因として考えられはじめたのが、心因性の腰痛です。

 

原因不明の腰痛の方に、心理検査を行い、その基準に合った人に抗うつ剤などの向精神薬を服用させることで不思議と痛みが和らぐという話もあります。

 

私は、心療内科のある病院でリハビリの仕事をしていましたので、心因性と考えられる腰痛の方を多く見てきました。

 

確かに、整形外科的な検査では異常がないのですが、痛みを覚えるという人は多かったです。

 

筋肉の緊張が強いと関節の動きが悪くなるので、他の筋肉に負担がかかって、その筋肉に痛みが生じやすくなるのだと解釈していました。

 

筋肉の緊張を解けると不思議と痛みが取れるので、そのように考えたのです。

 

ストレスがかかると、全身の筋肉に力が入ります。

 

これは、自律神経の交感神経が優位に働くからです。

 

交感神経が働くと筋肉が緊張するのは動物の本能的な作用です。

 

これは、外敵から逃げられるように筋肉が緊張しやすいように人の脳にもプログラムされているからなのです。

 

動物の場合、外敵から逃れることができればストレスから開放されるので問題ないのですが、人の場合、ストレスの原因は大きくに発達した脳によって作り出される精神的ストレスによるものです。

 

なので、外敵から逃れるようにすぐには解消されることはなく、頭の中で永遠とめぐり離れることはありません。

 

そうなると、長期間、交感神経が働き続けることとなり、体にとって異常な反応を起こしてしまうこととなります。

 

その一つに、痛みを強く感じてしまう症状があります。

 

人は、体から多くの痛み刺激を受けているといわれています。

 

ですが、よほどのことがない限り痛みを感じることはありません。

 

これは、多くの痛み刺激が脳に入る前に処理され、必要な痛み刺激のみを脳に伝えているからです。

 

ストレス状態が長く続くと痛みを振り分けている働きが作動しなくなり、必要以上の痛み情報を脳に伝えてしまうと言われています。

 

なので、交感神経が働き続けるストレス状態から開放されない限り痛みが軽減されないことになります。

 

ただ、そのようなケースの人はあまり多くありません。

 

慢性的な腰痛の場合、脳の問題というよりも筋肉の張りのバランスの問題で痛みが出る場合が多いというのが、私の見解です。

 

ストレスが強くかかると筋肉が緊張するので、筋肉の張りのバランスが崩れやすくなります。

 

それは、緊張すると縮みやすい筋肉が意識しないのに強調して縮んでしまうからです。

 

ですが、そのようなケースは筋肉の張りのバランスが整えば痛みが改善されますので、心因性の腰痛なのか?

 

どうなのでしょう?

 

整形外科的な検査や画像検査では、筋肉の張りのバランスを調べることはできません。

 

それらの検査で異常がなければ心因性の腰痛と診断するのはどうなのでしょうか?

 

心と体は一つながりですので、精神的なストレスによって弱いところに痛みがでることもあると思います。

 

このように考えると、体を整えることで精神的なストレスも軽減できるのでは?と思うのです。

腰痛を改善する方法

腰痛には、上記で見られるような様々なものがありますが、大きな原因となるのが

  • 腸腰筋

に関係したものです。

 

  • 急性腰痛は、腸腰筋が慢性的に硬くなり柔軟性が低下したことにより、表層の腰背筋に負担がかかる
  • 椎間板ヘルニアは、左右の腸腰筋の張りのアンバランスによって腰椎の椎間板の側方に負荷が集中してしまう
  • 脊柱管狭窄症は、腸腰筋の筋力低下と萎縮とともに、体幹を支える腹横筋と多裂筋の機能が低下することで脊柱管の中が狭くなり、その中を通る脊柱を圧迫する

などのことが考えられます。

 

上記のようなケースで症状が強く出ている時には、自己判断で体を動かず、専門の医療機関の指示を仰いでください。

 

このような腰痛を予防するためにも、慢性的な腰痛を改善するためにも

《腸腰筋》にアプローチする必要があります。

 

ですが、腸腰筋は体幹の深部にあるインナーマッスルなので、マッサージや整体などの手技療法ではアプローチすることができません。

 

脱力クリエイトの提唱する脱力調整法「大田式調整動作®︎」は、

マッサージや整体ではアプローチできない

腸腰筋にアプローチする自力調整法です。

 

 

この自力調整法のエクササイズは、

  • 指圧の臨床で用いたポイント
  • リハビリで行っていた運動療法

の要素を取り入れたものなので、体を動かしながら体を軽くする効果を得ることができます。

 

なので、

  • 痛くて動かすのが億劫

という方にも、行っていただけます。

 

※ただし、痛みが強い時には、無理しないようにご注意してください。

 

さらに、筋トレとストレッチの要素も含まれており、血行を促進して、痛みを改善することも期待できます。

 

【参考記事】

脱力調整レッスンで行うエクササイズを継続して行うことによって腸腰筋の張りのバランスが整えられると、体全体のバランスも整い、しだいに腰の表面筋肉の張りがゆるみ、腰痛も改善されていきます。

詳細は、脱力調整レッスンのページをご覧ください!

なお、オンラインレッスンも行っておりますので、鹿児島県外の方にも受けていただいております。