高齢の方が階段の上り下りの際に降りづらそうにしている姿を見かけます。
階段しかないところだったら仕方がないと思うのですが、
不思議なことに、
エスカレーターがあっても階段を上り下りしようとするのです。
私もこのことを不思議に思っていましたが、階段の上り降りをしている姿を見て、あることに気がつきました。
その方々は、エスカレーターに乗りたくても、エスカレーターに乗ることができないのです。
なぜかと言いますと、膝の関節が変形しているために足をスムーズに動かせず、エスカレーターのタイミングに合わせて足を段に乗せることができないためです。
そのため、エスカレーターに乗る時に恐怖を感じます。
なので、仕方がないから痛い足を引きずりながら階段を上り下りしています。
若い人は、このようなことを想像することは難しいです。
加齢とともに膝が悪くなるのは、「年だから仕方がない」と思われる人も多いようです。
しかし、そうかと思えば高齢の方でもエスカレーターをスムーズに乗れる人もいます。
このような方は、階段も手すりを捕まえなくても、上り下りできます。
その違いは、体幹部の骨の動きにあります。
体幹部の骨の動きを悪くしている原因が体の歪みです。
体が歪むことで、体が傾き、体全体のアライメントが狂います。
そうなると、体を支える膝の関節に大きな負担がかかってしまいます。
膝の関節は、前後方向にしか動きませんので、膝に横からに力が加わると力を逃がすことができないのです。
そのため、関節に負担がかかり膝の関節が変形してしまいます。
関節の変形は、すぐには起きません。
時間をかけてゆっくりと進行します。
膝の痛みは、強く感じないため、そのまま放置されがちです。
本当は、少し違和感を感じる時点で対処すればいいのですが、痛みが強くならないと対処しないものです。
ぎっくり腰などの場合、激しい痛みとともに動きも制限されますが、それは筋肉の炎症が原因であるため、筋肉の損傷が治まるとともに炎症が治まり痛みもなくなります。
ですが、膝に激しい痛みを伴うときには、関節自体が変形しています。
ですので、ぎっくり腰のように安静にしていれば再生して完治するというものではありません。
そして、一度変形した関節は元通りにはなりません。
若い時には、関節が変形して激しい痛みが伴うということなど想像できないと思いますが、皮肉なことに、膝の変形は、時間をかけて徐々に進みます。
そうならないために、若いうちから体のケアを行うことが必要なのです。
膝の変形を起こすシグナルは、膝だけに出るのではありません。
膝の変形の原因は体の歪みから来るものですので、
- 体の歪みを強くしない
ことが膝の変形の予防になります。
膝の変形を教えるシグナルは、肩こりや腰痛とう形で現れます。
なので、体の歪みを整えることが、
肩こり、腰痛の改善になるばかりではなく、
膝関節の変形の予防につながるのです。
膝の変形が進行してしまった時に行うべきこと
関節が変形してしまったら、二度とは戻りません。
ですので、まずは予防が一番大切になります。
ですが、もう変形を起こしてしまったらどうするの? と思われるかもしれません。
そうなったら、民間療法ではどうしようもありません。
整形外科を受診して、そこで膝のリハビリを受けて脚の筋力訓練を行い続けるしかありません。
関節が変形しても、その周りの筋肉を鍛えることで関節の変形の進行を止めれるからです。
そして、筋肉が関節をカバーしてくれるので、炎症が治まり痛まなくなります。
ですが、筋肉が鍛えられるまでには時間がかかり、約1ヶ月ぐらい経たないと痛みも軽減されません。
そのためなのか、それまで待ちきれず、痛みをとってくれる民間療法に頼ろうとします。
しかし、そのようなところでは、痛みを和らげるような療法しか行いません。
仮に、その場だけ痛みを取っても、肝心の脚の筋力を鍛えなければ変形が進行してしまうため、炎症は治まらず、かえって悪化させてしまいます。
そのようなことを繰り返すうちに脚の筋力が衰え、しだいに歩けなくなり、最終的には寝たきりになってしまいます。
痛みが辛くて動かすことが億劫でも、脚の筋力をつけない限り痛みから解放されることはありません。
また、脚の運動を続けて、脚の筋力がついて膝の痛みがなくなったからといって、その運動をやめてしまったら、意味がありません。
また、激しい膝の痛みに襲われます。
なぜならば、膝の関節を守る筋肉が衰えるからです。
なので、筋肉が衰えないように脚の筋肉を鍛える運動を続けていく必要があります。
一度、関節が変形してしまうと元に戻ることはありません。
これが、脚の筋トレを続けなければいけない要因なのです。
膝関節の変形を予防するためには
膝のアライメントが狂うことで膝の関節が変形することが、膝痛の大きな原因となります。
仮に膝まわりの筋肉を鍛えたところで、筋肉でガードして関節を守るだけであってアライメントが整うわけではありません。
大きく変形してしまったら、膝周りの筋肉(特に大腿四頭筋)を鍛えるほか方法がありませんが、軽度の変形でしたら、まだ改善の余地があります。
変形が強くなければ、膝のアライメントを整えることも可能だからです。
そのためには、まず、膝のアライメントを狂わす原因を知る必要があります。
膝のアライメントに気を取られていると、本質に気がつきません。
膝の関節のアライメントを狂わしているのは、膝のまわりの筋肉の張りではありません。
股関節まわりの筋肉の張りのバランスだったのです。
股関節まわりの筋肉の張りのバランスを整えることで、股関節のアライメントが整い、それに伴って膝のアライメントが整ってきます。
そして、股関節のアライメントを整える重要な鍵を握るのが、腸腰筋という体幹部と脚とをつなぐインナーマッスルです。
なので、膝のアライメントを整えるためには腸腰筋にアプローチすることが必要となります。
ただ、腸腰筋は体の内側にある筋肉で、手技ではアプローチできない筋肉です。
私が、指圧とリハビリの仕事を行っていた時に、腸腰筋にアプローチする方法を考案し、膝の関節のアライメントを調整していました。
膝のアライメントが整うと、不思議と膝の痛みも和らぎます。
そうしてから、膝の筋トレを行うと膝に力が入りやすくなり脚の力をつけやすくなります。
この腸腰筋にアプローチする手技を応用したのが脱力調整法「大田式調整動作」です。
「大田式調整動作」を継続して行えば、軽度な膝のアライメントでしたら調整できます。
ですが、変形が進んでしまったら不可能です。
なので、関節の変形をひどくしないように、若いうちに体のバランスを整えることが重要だと考えております。
膝痛を改善するエクササイズ
膝痛の改善を図る前に膝痛を予防することを考えなければなりません。
と言っても、難しいことはありません。
それは、
- 日頃から階段を利用する
ことです。
エスカレーターの隣に階段があったら多くの人は、迷わずエスカレーター方へ向かうでしょう。
そこを、あえて階段を選ぶ
このことを習慣化するだけで、膝痛を予防するための筋肉、大腿四頭筋を鍛えることができます。
また、階段上りには、平坦な道を歩くだけでは鍛えられない筋肉を鍛えることができます。
それが、おしりの筋肉です。
おしりの筋肉は、股関節を動かす時にしか使われないために、衰えやすい筋肉です。
腰痛持ちの多くの人は、おしりの筋肉が硬くなっていたり、衰えていたりします。
そして、冷え性で悩む人もおしりの筋肉が衰えています。
特に、エスカレーターを頻繁に使う人は、おしりの筋肉が衰えます。
そして、膝痛の予防のためにもおしりの筋肉が重要です。
普段から階段を利用することで、おしりの筋肉を使うことができます。
もっと積極的におしりの筋肉を鍛えたい!と思っている方のために、
脱力クリエイトでは股関節エクササイズをお勧めいたしております。
- 決して、無理をなさらないように。
- 痛い動作は行わない。
- やりやすい方向から行う
ことを心がけて行ってみてください!