偏平足に外反母趾など、さまざまな足のトラブルがあります。
その原因として挙げられるのが、靴です。
足にフィットしない靴を履くことで、足の形が崩れると言われています。
以前は、外反母趾はハイヒールの履きすぎによるとか言われていました。
ですが、ハイヒールの靴を履かないのに外反母趾になる人もいるようです。
そのように考えると、足のトラブルは靴だけの問題ではなさそうです。
ハイヒールを履く人に外反母趾が多い訳を考えてみると、ふくらはぎの筋肉が硬くなることが原因のようです。
なぜならば、ハイヒールの靴で歩くと足首をあまり動かないからです。
それに対して、裸足やローヒールの靴ですと足首の動きが大きくなります。
ハイヒールの靴を履いた時の足首の形は、ちょうどつま先立ちをして立っているのと同じです。
その状態で歩こうとすると足首の動きが少なくなります。
このことで、ふくらはぎの筋肉を常に縮めながら歩くことになります。
ということは、ハイヒールを履かない人でも、ふくらはぎの筋肉を縮めながら歩く癖がある人は外反母趾になりやすくなると考えられます。
それでは、足首の動きの硬い人とはどのような人なのでしょう?
それは、体の重心が前にあり体重がつま先に乗っている人です。
ハイヒールの靴を履くと踵が上がりますので、自然と重心が前に移動してつま先に体重が乗ります。
このことで、足の横のアーチが崩れて足の親指が外のほうに折れ曲がるのが、外反母趾です。
なので、ハイヒールを履かない人でも常に体重がつま先にかかっている人は外反母趾になりやすくなります。
また、最近、ハンマートゥと言われる足のトラブルが増えていますが、外反母趾とは逆で重心が後ろ寄りで体重が踵に乗っている人に多く見られます。
ハンマートゥも合わない靴を履くことによって起きるトラブルと言われています。
なぜ、体重が踵に乗ると足の指が浮き上がるのでしょう?
外反母趾とハンマートゥについて述べ、これら足のトラブルを予防し、改善するためのエクササイズをお伝えしたいと思います。
外反母趾
足のトラブルは体の歪みが原因であり、 体が歪むと足にかかる体重の乗り方が変わります。
足のトラブルで代表的なものが外反母趾です。
外反母趾になる大きな原因は、つま先に体重が乗せ続けることです。
このことで、足の横アーチが崩れてしまい、つま先の骨が平らになり足の親指の付け根が広がり靴の形に合わせるように親指の先が中心に向かって変形します。
足には縦と横にアーチがあります。
縦のアーチがなくなるのが、偏平足です。
そして、横のアーチがなくなるのが外反母趾です。
横のアーチが壊れないようにするためには、足にかかる体重を踵の少し前に乗せるようして立つことが重要です。
このように立つと、体の重みが足のつま先と踵に分散されます。
身体の構造的に考えると、体の重み(ウエイト)が踵に多くかかるのが自然です。
なぜかと言いますと、立っている時の重心は仙骨という骨盤の真ん中の骨の少し前(内側)にあるためです。
しかし、身体の感覚的には、足の裏に体重が均等に乗っているぐらいが、この位置です。
実際の現象と身体の感覚とでは、少し、差があることは踏まえておくと良いでしょう。
このように体重を乗せるためには、体の歪みを整えることが必要です。
体のバランスが整えば、自然に重心が踵の少し前に落ちるようになります。
そして、体のバランスを整えるためには足首の動きを良くすることも重要です。
足のトラブルを抱える人は、ふくらはぎの筋肉の緊張が強い傾向があります。
ふくらはぎが硬くなると足首の動きが悪くなり、そのことで歩き方が悪くなってしまいます。
ふくらはぎの筋肉は腰の筋肉とも連動していて、ふくらはぎの緊張が腰の緊張を呼び、そのことで背骨の動きが悪くなります。
そうなると、股関節の動きが悪くなり、歩くときにふくらはぎの筋肉を使って歩こうとしてしまうため、さらにふくらはぎが硬くなる悪循環を及ぼします。
このことで、つま先重心が定着化して、しだいにアーチが崩れて足の指の骨が変形してしまうのです。
これが、外反母趾になる要因だと考えられます。
変形してしまった骨は元には戻りません。
なので、大きく変形しないように体のバランスを整える習慣を定着化させることが大切になると思うのです。
巻き爪
足のトラブルで有名なのが外反母趾ですが、巻き爪という足のトラブルもあります。
巻き爪は、爪が内側で巻くことで爪と接している皮膚を圧迫することで痛みが生じるトラブルです。
この原因は、足の指が浮くことで地面に接しなくなることです。
このことで、爪が丸く巻いてしまうのです。
この本質的な原因は、足の指に体重が全くかからなくなることにあります。
そして、巻き爪の原因となるのが、ハンマートゥと言われる足の変形です。
ハンマートゥとは、足の指が曲がり金ヅチのようになることから名づけられています。
外反母趾はつま先に体重を乗せ続けることが原因ですが、ハンマートゥはその逆で、踵に体重を乗せ続けることが原因で起こります。
その理由は、踵に体重が乗ることで足の指が浮くからです。
このことで、重心が後ろになり、体が後ろに傾きます。
そうしたら、体が後ろに倒れないように大腿四頭筋というももの前の筋肉が緊張し、それと連動して前脛骨筋というすねの筋肉が緊張します。
前脛骨筋は、足の指を持ち上げる筋肉ですので、その筋肉が緊張した状態が長く続くと足の指が持ち上がったまま地面につかない状態になります。
この状態で靴を履くと、靴の形に合わせて足の指が変形します。
これが、ハンマートゥの原因だと考えられます。
ハンマートゥになって足の指が地面につかない状態が続くと、足の爪に力がかからなくなります。
そうして、で爪が丸くなって巻き爪になるのです。
なので、足の指が地面に着いて体を支えている限り巻き爪にはなりません。
そのために、硬くなっている前脛骨筋を柔らかくする足首の運動を行うことが巻き爪の予防になります。
また、足の指も柔らかくなります。
巻き爪の本質的な問題は、体重が踵にしか乗っていないことにあります。
踵に体重がかかるのは自然なことですが、つま先にも少し体重がかかっている状態が理想な状態です。
身体感覚的には、足の裏に均等に乗っている時が、この状態です。
足の裏に体重を均等に乗せる
そのためには、体の歪みを整えることが重要となるのです。
足のトラブルを予防するためのエクササイズ
上記で、外反母趾とハンマートゥについて述べました。
これのことを踏まえて考えると、足のトラブルの本質的な原因は体の重心の位置だといえます。
もしかしたら、外反母趾もハンマートゥも足に合わない靴を履き続けたことで、体重の乗せ方が変わってしまったことが原因なのかもしれません。
そして、体の重心を決めているのが、体の歪みです。
なので、体の歪みを改善することが足のトラブルの予防になると考えています。
まずは、体の歪みを改善するエクササイズ、
をご覧ください。
次に、足首の運動と足の指のケアの方法です。
足首の運動
- 足首を回す
- つま先上げ(踵立ち)
- 踵上げ(つま先立ち)
- 足首を左右に動かす(足関節の外反、内反)
足の指のケア
- 足指ジャンケン
- 足の股開き
このような運動を行ううちに、足の指の柔軟性が高まり、血行が良くなり、予防と改善を図ることができます。