人間を含めすべての動物は、体を動かすことを前提に作られています。
心臓には体の末端へ血液を送りだすはありますが、末端に残る血液を心臓まで戻すだけの力はありません。
では、末端の血液はどのようにして心臓に送り返されるのでしょう?
その働きをしているのが、筋肉です。
筋肉を動かすことによって末端の血液が心臓のほうへ送り出されているのです。
ということは、身体を動かさなければ筋肉も働かきませんので血液の循環が滞り、血行が悪くなります。
生活習慣病の多くは、血液の循環不良、血行が悪くなること原因です。
なので、筋肉を動かすことで病気を予防するもできます。
筋肉を動かすことのメリットはこれ以外にもあり、筋肉を動かすことで熱が発生されることです。
筋肉が体内の熱を発生させる割合は多く、筋肉の量が多いほど熱を作る働きがあります。
筋肉が使われる時には多くの熱が発生しますが、安静にしている時にも筋肉によって熱が作られています。
このことを、基礎代謝といいます。
基礎代謝とは、生命活動を行なう上で必要な熱量のことです。
もし、体温が低ければ人は生命活動を行うことができません。
筋肉を動かすのにも熱が必要ですし、内臓が働くためにも熱が必要です。
冷え性に悩む人も多いと思いますが、体の冷えによって起こる不快な症状は、体温を上げきれないことによって生命活動をうまく行うことができためです。
この根本的な原因となるのが、筋肉量の低下です。
筋肉量を増やすためには、体を動かすほか方法がありません。
体を動かすことには、もう一つのメリットがあります。
それが、「骨を強くする」ということです。
「カルシウムを摂って骨を強くしましょう!」とよく言われますが、カルシウムを摂るだけでは骨は強くなりません。
このことは、あまり知られていないと思います。
カルシウムとマグネシウムとのミネラルバランスの問題もあると思いますが、それだけではありません。
骨を作るためには、カルシウムのほかにビタミンDが必要です。
その多くは皮膚の中にあるビタミンDの類似物質が太陽の光に含まれる紫外線によって化学変化を起こすことで作られます。
ビタミンDがカルシウムを骨に変えるために必要不可欠なのです。
しかし、それだけでも不十分です。
骨を作るのにもっとも必要なのが、物質的刺激、そう衝撃です。
もちろん衝撃が大きすぎると骨が砕けていまいますので、あくまでも適度な衝撃です。
骨に適度な刺激が加えられることで、はじめて骨を作ることができます。
骨髄の中に骨を壊す破骨細胞と骨を作る骨芽細胞があります。
骨芽細胞は、骨に適度な振動がある時に活性化して骨を作るようになります。
適度な衝撃を与えるのが、運動です。
運動によって地面からの衝撃と筋肉の伸縮によって骨に衝撃が加えられます。
運動をしなければ骨に適度な衝撃が加えられないため、骨芽細胞が活性化 されず破骨細胞のみが働くため骨が弱くなってしまいます。
健康であり続けるためには、
- 体温を上げる
- 血行を良くする
- 骨を強くする
この3つは必要不可欠なことです。
もちろん睡眠や栄養も大切ですが、この3つのことは運動するほか方法がありません。
体を動かすことの重要性を、多くの人に知っていただきたいと思っております。