小学生の頃、逆上がりの練習をした方も多いと思います。
実は、私は運動音痴で逆上がりができませんでした。
親に練習を手伝ってもらい、数か月の猛特訓の末、やっとの思いでできるようになったことを覚えています。
数年前、近くの公園で、ふと
「逆上がりをしてみよう」
と思いやってみると、
なんの苦労もなくできたのです。
「小学生の頃に苦労して覚えた甲斐があったなあ」
とつくづく思いました。
やってみようと思ったのは、ある講習に行った時、
その講師の先生が
「若いころは運動が得意だったけれど、40過ぎに『逆上がり』をしようと思ったらできなくなっていました。とってもショックで、年を取ると運動能力が落ちるとつくづく思い知らされました。」
という話をしていたのを思い出したからでした。
その当時、40歳を超えたばかりでしたので、正直、できるか不安でしたが、できて安心しました。(ちなみに、現在47歳の今でも逆上がりできます!)
一般的には30歳を過ぎた頃から運動能力が落ちはじめ(厳密には、生まれてから)、年齢による体の衰えを強く実感するのが40過ぎたあたりからです。
基本的に、若いころににできたことができなくなるのは当たり前のことです。
その大きな原因が、体幹部の動きが悪くなるためです。
私は、普段から体幹部の動きを良くするトレーニングを行っているので、体幹部の動きだけでしたら20代の頃よりは動きは良くなっています。
逆上がりができたのは、そのおかげなのでしょう。
運動のできた人は脳幹や小脳によって体幹部をコントロールできていたのが、
加齢と共に体幹部の動きが悪くなることで、
脳幹と小脳による体幹部のコントロールがうまく機能しなくなるからだと考えれます。
それに対して、私は、体幹部の操作法を大脳皮質の領域に刻み込んでいるおかげで、体幹部の動きを意図的にコントロールすることができます。
なので、40過ぎても逆上がりを行うことができたでしょう。
ここで、逆上がりのメカニズムについて述べたいと思います。
逆上がりのメカニズム
まず、鉄棒を掴み腕で鉄棒を引き付けるのと同時に地面を蹴り、すぐに両膝を曲げます。
このことで、回転モーメントが強く働き、頭が下、足が上に来るように鉄棒を軸に体を速く回転させることができ、鉄棒に脚の付け根(そけい部)を当てることができます。
脚の付け根(そけい部)に鉄棒を当たってから両脚を伸ばします。
そうすると、鉄棒を軸に足が地面に向けてゆっくりと回転し、逆上がりの完成です。
上の画像は、5年前(2015年)に撮ったものです。
下の動画は2020年12月21日に撮影したものです。
5年ぶりの逆上がりチャレンジでした。
動画を見る
逆上がりを行うためには
子供が、逆上がりのできないのは、
- 脚を跳ね上げるタイミング
と
- 跳ね上げてから両膝を曲げるタイミング
が掴めないからです。
子供の頃はできたけれど、年を取ってできなくなるのは、体幹部の伸縮性が悪くなり、イメージどおりに行えなくなるためです。
逆上がりを行うためには、
- まず体幹部を伸ばして脚を跳ね上げ、
- 空中で体幹部と脚を丸め、
- 骨盤が鉄棒よりも上に来たタイミングで体幹部と脚を伸ばして着地する
という一連の動作が必要です。
逆上がりを行うためには体幹部の柔軟性が必須です。
しかし、加齢と共に体幹部の柔軟性が失われてしまう。
これが、現実です。
ですが、悲観することはありません。
加齢によって体幹部の動きが悪くなっても、体幹部の動きを良くすることは可能です。
このような事実を覆す試みが、脱力体を作る「脱力トレーニング」なのです。