合気上げという技を検証していた時に、疑問に感じたことがありました。
それは、実際の場面でいきなり腕を掴んで押さえつけようとはしないのでは?という疑問です。
掴んだとしても、掴んだ後に引っ張ったりして掴んだまま押さえつけようとはしないとは思います。
門外漢であるので、深くは考察しませんでしたが、合気上げについて調べていくうちにその疑問が解くカギを見つけることができました。
本の名前と内容を失念してしまい詳しく覚えていませんが、その本の中で
「合気上げというのは技の名前ではなく、元々『太刀取り?』という技があり、それが合気上げの始まりだった」
というような内容のことが書かれていました。
例えば、相手が刀を持って構えていて、なんとか腕を捕まえて切られないようにしようとしたら腕を押さえつけて振り回さないように頑張ります。
その状態から、腕を振り解こうとはせずに相手に腕を掴まれたまま刀を振り上げれば合気上げの形になり、掴んだ人は体勢を崩されます。
体勢を崩してから、そのまま刀を振り下ろせば相手を斬ることもできます。
また、合気上げの他に「合気下げ」というものもあるそうです。
この合気下げも太刀捕りの型の一つで、これは術者が刀を振りかぶった時に振り下ろされないように腕を掴んで離さないように頑張るところを、そのまま刀を振り下ろして斬るという型のようです。
このような状況を再現した形稽古が「太刀取り?」という技のようです。
そして、腕を押さえつけられた状態から相手の体勢を崩す感覚を会得するための修練法となったとも書かれていたように記憶しています。
その本を読んだ時「なるほど、それなら腕を動かさないように押さえつけようとするな」と納得しました。
ここで、合気上げの動画でモデルになっていただいた方に「太刀取り」を体験していただきました。(木刀など持っていませんので、ウチにあった長い棒を使って行っています。)
私もモデルの方も武術の経験はないので、腕の掴み方などは型とは違うかもしれません。
その点は、ご了承ください。
なので、モデルの方には好きなところを握ってもらって行いました。
まずは、合気上げの要領で行う太刀取り?(みたいなもの)です。
相手にしっかりと腕を押さえつけてもらいます。
合気上げの要領で両肘を曲げます。
そうすると、刀(白い棒)が振り上げられます。
相手の方の体勢が崩れているうちに刀(白い棒)を振り下ろします。
危険がないようにゆっくりと行ました。
次に、合気下げの要領で行う太刀取り(みたいなもの)です。
刀(白い棒)を振り上げた状態から相手にしっかりと掴んでもらいます。
そうして、両肘を落とすようにしながら刀(白い棒)を振り下ろします。
そうすると、相手ごと刀を振り下ろすことができます。
動画を見る
これも基本的は合気上げの要領で、掴まれている腕ではなく、肘に意識を置いて肘を下げると行うことができます。
武術的には、合気上げよりも合気下げの方が使う機会が多いように思うのは素人考えなのでしょうか?
私自身は、整体など身体調整を行う時に使っていますが、合気下げの原理は日常生活ではあまり使う機会はないかもしれません。
強いて言えば、カボチャを切る時とか使えそうかな(笑)