年を重ねるごとにウエストが太くなるとお悩みの方も多いかと思います。
- おなかまわりが気になってきたから腹筋運動しなければ
とか、
- おなかまわりに脂肪がついたからダイエットしよう
と考えるかもしれません。
- 筋肉の衰えによって代謝が悪くなることも
- 脂肪の摂り過ぎによって体に脂肪がつくことも
事実ですが、だからといって
- 一生懸命腹筋を鍛えたとしても、
- 食事を制限したとしても
なかなかうまくいかない方も多いのはないでしょうか?
体重を減らすことに成功しても「リバウンドしてかえって太ってしまった」という話もよく聞きます。
なぜ、成功しないのでしょうか?
その理由には、大きく分けて3つあり
- カロリーに関する誤解
- 睡眠に対する認識
- 運動についての誤解
などです。
カロリーに関する誤解
ダイエットというと
- カロリーを減らさなければ!
と思っている方も多いかもしれません。
確かに、摂取カロリーが消費カロリーよりも多かったら太ることは事実です。
ですが、カロリーの数値が高いから太るということは、とんでもない誤解です。
- 油物はカロリーが高いから食べない
とか
- 野菜はカロリーが低いから野菜だけ食べる
などということを平気で行なっています。
このようなことを行なっていると代謝が悪くなり、太りやすい体質になってしまいます。
このように、カロリーだけでダイエットの全てを語ることはできません。
そもそも、カロリーについて誤解されている方も多いです。
カロリーとは、日本語で熱量(エネルギーを作り出せる量)のことです。
例えば、
- 炭水化物(ショ糖やでんぷん)は1gあたり4kcal
- タンパク質は1gあたり4kcal
- 脂質(脂肪)は1gあたり9kcal
の熱を産出すると言われます。
これは、カロリーの数値が高いほど多くの熱(エネルギー)が生み出される、すなわち代謝が上がることを意味しています。
この中で一番、熱を発生させることができるのは脂質です。
『脂質とタンパク質』
脂質は、主な働きは体のエネルギー源になるほかに、
- 細胞膜や核膜の材料になる
- ホルモンの原料になる
- 皮下脂肪という形で臓器を保護
- 皮下脂肪という形で体温を保護
など、体にとってなくてなならないものです。
直接体のエネルギー源にはなりませんが、多くのエネルギーを燃やすことのできる筋肉の材料になっているのがタンパク質です。
タンパク質が多く含まる食べ物は肉ですが、肉はカロリーが高いためにダイエットを行なっている人からは好まれません。
しかし、タンパク質を摂取しなければ、エネルギーを燃焼するための筋肉が減ってしまい、代謝が落ちて、痩せにくくなります。
また、血中のタンパク質が不足すると浮腫みやすくなるので、むくみにより体重が増えてしまいます。
あと、タンパク質が不足すると免疫力が低下して病気にかかりやすくなるなどのデメリットもあります。
このように生命維持に欠かせない栄養素がタンパク質です。
太りにくい体質になるためにタンパク質をおすすめする理由は、その他にもあります。
- タンパク質を消化吸収するときに多くのカロリーを必要とする
ということです。
タンパク質の多くは小腸で消化され吸収されます。
食中のタンパク質を細かく分解してアミノ酸やペプチドという小さい分子にする際に多くの熱が発生します。
これを「食事誘発性熱産生(DIT)」と言います。
簡単に言えば、食事を摂るだけで消費されるカロリーということです。
- 糖質のみを摂取した時の摂取量に対する消費カロリーの割合が約6%
- 脂質のみを摂取した時の摂取量に対する消費カロリーの割合が約4%
それに対して
- タンパク質のみを摂取した時の摂取量に対する消費カロリーの割合は、なんと約30%
にもなります。
実際の食事では、糖質、脂質、タンパク質が混ざっているので、
- 摂取量に対する消費カロリーは約10%
ぐらいになります。
ごはんを食べているうちにだんだん体が温もってくるのは、この「食事誘発性熱産生(DIT)」によるものです。
また、「食事誘発性熱産生(DIT)」は筋肉の量とも関係していると言われ、筋肉量が少なくなると「食事誘発性熱産生(DIT)」も減ります。
なので、筋肉を落とさないようにしなければいけません。
また、筋肉を増やすためには、タンパク質だけではダメです。
脂質(脂肪)もちゃんと取らなければいけません。
脂質は、筋肉の細胞を作るために細胞膜と核膜の材料になっていることと、筋肉を作ることを促すホルモンの原料にもなるからです。
お肉には、良質のタンパク質と脂質が多く含まれ、その他のビタミン、ミネラルが含まれているので、太りにくい体質になりたい人にはおすすめです。
『糖質制限の是非』
あと、生命活動を営む上で重要な栄養素が糖質です。
最近では、「糖質を控える」ことが言われ始めて「糖質制限ダイエット」というものまであります。
過剰に糖質を取ると、インスリンという膵(すい)臓から分泌されるホルモンによって過剰な糖質が脂肪に変えられて皮下や内臓に蓄えられ、これが肥満の原因になるためです。
現在社会は、お菓子や外食、中食(お惣菜など)などが多くなり、これらには砂糖などの糖質が多く使われているので、気をつけなければ糖質過多になってしまいます。
その反動なのか?糖質を過剰に控えようと動きもあり、これが「糖質制限ダイエット」です。
しかし、糖質は生命活動にとって必要な栄養素なので不足してしまったら健康を害します。
砂糖は、糖質過多の大きな原因になるため太りにくい体質を作るためには避けた方が懸命です。
ですが、その他の糖質、お米や小麦、果物に関しては摂りすぎなければ問題ないと思います。
むしろ、糖質が不足してしまうと、体内のタンパク質すなわち筋肉が糖質の代わりにエネルギー源となるための原料として使われてしまい大変なことになります。
筋肉が減ってしまうと基礎代謝が落ちて、太りやすい体質になってしまうからです。
糖質が不足したら脂質(脂肪)が使われればいいのですが、そうは行きません。
これは、先程の熱量に関係します。
糖質は、エネルギー源としては最も適しているので、真っ先にエネルギー源として使われます。
しかし、脂質はそうではありません。
脂質を分解するためには、ある程度のエネルギーが必要だからです。
その代わりに、分解しやすいタンパク質が使われてしまいます。
そのため、筋肉中のタンパク質を分解してエネルギー源へと変えるために筋肉が分解されてしまうのです。
このことは、薪で火を起こすことに似ています。
薪に火をつけようとする時、いきなりマッチで薪に火をつけても火はつきません。
なので、薪の下に燃えやすい紙を置き、紙の方に火をつけます。
しかし、紙だけ燃やしても紙はすぐに燃え尽きてしまいます。
ですが、紙に火を付けて、その火によって薪に火がつけば薪は燃え続けてくれます。
これは、紙より薪の方がカロリーが大きいため、紙の方が燃えやすいけれど、薪の方が燃やし続けられることを意味します。
薪が脂質、紙が糖質に例えて考えると、脂質は燃えにくいけれど一度燃えれば燃え続けることができ、糖質は燃えやすいけれどすぐに燃え尽きてしまうということになります。
もし糖質が少なければ、燃えにくい脂質に火を付けることはできないため、糖質と同じぐらい燃えやすいタンパク質が代わりに使われるという意味です。
なので、糖質を制限して状態では、過度な筋トレなどを行なっても筋肉をつけることができず、逆に筋肉を動かすために筋肉を分解してしまうという皮肉な結果になってしまいます。
カロリーに偏ったダイエットが功を奏さないのは、そのためです。
睡眠に関する認識
- 「寝ると太る」から、睡眠時間を削っている人はいませんか?
また、
- ダイエットのために「体を動かしてカロリーを消費しなければ」と思っていませんか?
適度な運動は大切ですが、過度な運動は体に毒です。
そして、何より、激しい運動したとしても基礎代謝(安静にしていても消費されるカロリー量)に比べれば大した消費カロリーにはなりません。(42.195Kmのフルマラソンを完走させて、おおよそ基礎代謝より多くなるぐらいです。)
それよりかは、筋肉の量を増やして基礎代謝量を高めた方が、痩せやすいと言えます。
そして、あまり知られていませんが、
- 良質な睡眠が太りにくい体質を作る
ということが言われています。
これは、睡眠中に分泌される成長ホルモンによって、体内の脂肪が燃やされるためです。
睡眠中は、食事を取ることができません。
なので、食事を摂らなくても良いように体内に蓄えられた脂肪が優先的に燃やされるようになっています。
なぜかと言いますと、体内に蓄えられた糖質(グリコーゲン)が約2時間分しか蓄えられておらず、睡眠中に使い尽くされてしまうためです。
体内のエネルギー源が枯渇しないように、成長ホルモンによって優先的に脂質を燃焼させることで睡眠時のエネルギー不足を防いでいたのです。
なので、万年寝不足した状態ですと、睡眠中に成長ホルモンが分泌されず体内に蓄えられた脂肪が燃焼されないまま留まってしまうことになります。
また、成長ホルモンは、日中に破損した組織の修復やコレステロールを下げるなどの働きがあり、具体的には、
- 筋肉を作る
- 肌を綺麗にする
など、アンチエイジング(抗加齢)の効果です。
そして、睡眠を促すメラトニンというホルモンがあり、日中に分泌されたセロトニンというホルモンが変化して夜間になりメラトニンに変化します。
メラトニンを作るセロトニンの材料になるのが、トリプトファンという必須アミノ酸(タンパク質を細かくした分子)です。
あとメラトニンは強力な抗酸化物質でもあります。
メラトニンの分泌が少ないと、寝付きが悪くなり、肌荒れを起こしやすくなったり、成長ホルモンが分泌されにくくなることで太りやすくなったりなどの悪影響が及ぼされます。
適度な睡眠を保つことで、太りにくい体質になるほか、肌艶を良くする、筋肉がつきやすくなるなどのアンチエイジングの効果が期待できるのです。
運動についての誤解
「一生懸命に腹筋運動を行なっていても痩せられない」
その原因は、骨格の歪みです。
なので、そのことを考慮に入れていないと、いくら頑張っても功を奏しません。
- 骨格の歪み
と
- ダイエット
関係なさそうですが、大きく関係していることは意外に知られていません。
骨格の歪みが強くなると体幹部の胸郭と骨盤の間隔が狭くなり、その結果、ウエストが前後左右に広がってしまいます。
そして、胸郭と骨盤との間隔を狭くしているのが、体幹部の表面の腹筋と背筋の張りのバランスなのです。
体幹部の表面の筋肉の張りが強くなると、腹横筋と多裂筋という体を支える働きをする体幹部のインナーマッスルがうまく働かなくなり、姿勢が崩れしまいます。
このことが、“ポッコリおなか”の原因となるのです。
“ポッコリおなか”を改善するために行わなければならないことがあります。
それが、体幹部のインナーマッスルを鍛えることです。
ただ、ここで問題があります。
それは、筋力トレーニングではインナーマッスルを鍛えることができないということです。
筋力トレーニングで腹筋を鍛えようとすると、“ポッコリおなか”を作ってしまう腹筋(外腹斜筋、内腹斜筋)を鍛えてしまうため、腹筋運動を行えば行うほどウエストが細くならず、逆に“ポッコリおなか”助長させてしまうのです。
【参考記事】
おなかを引き締める「腹横筋」が使われるためには体の歪みを改善することが必須です。
腹横筋が有効に使われれば、腹筋運動を行えば行うほどおなかが引き締まります。
ですが、腹横筋が使われなければ腹筋運動を頑張ってもぽっこりおなかを改善できないのです。
では、腹横筋を鍛えるためのエクササイズは?
簡単です。
背筋を伸ばす姿勢をし続けるだけです。
ただ、これを継続することは、よほどの根気がなければできるものではありません。
もし、継続し続けられたら、体の歪みも改善でき、ウエストも引き締まるでしょう。
脱力クリエイトでは、腹横筋と多裂筋など体幹のインナーマッスルに効く脱力調整レッスンを行なっております。