最近では様々な動画サイトがあり、その中にボイストレーニングの動画とかもあります。
意外に視聴回数も多く、それだけ「歌が上手くなりたい」と思っている人が多いのでしょう。
ですが、ボイストレーニングの動画を視聴していて、身体の構造から考えて理にかなっていない練習を見ることが多々あります。
そして、何より、人を勘違いさせたり、思い込ませたりしているところが気になります。
特に、歌手を目指している人は気をつけた方が良さそうです。
そこで使われているのが催眠術であり、マインドコントロールです。
催眠術と言っても催眠術士が「あなたはだんだん眠くなる」というようなパフォーマンスではありません。
ここで催眠のことについて説明したいと思います。
催眠とは、変性意識の一種で「意識が狭窄(狭くなる)した状態」のことで、端的に言うと周りが見えなくなる状態で、誰しもある現象です。
【参考記事】催眠とは(意識が狭窄する変性意識)
例えば、
- ボーとしている
- 考えことをしている
- 昔のことを思い出している
- くつろいでテレビやスマホを見ている
- お酒を飲んでほろ酔い気分
などの状態です。
このような催眠状態になっている時、人は思考や認識力、判断力が著しく弱くなります。
この時に、人はマインドコントロールされやすくなります。
これは、相手から頭ごなしに動かされるのではありません。
相手の言葉があたかも自分の意思のように思いこむように思想や思考を植え付け、自分の意思で行動しているように思わせるように巧みに操作する手法がマインドコントロールです。
マインドコントロールされやすい人の特徴に、
- 被暗示性(暗示にかかりやすさ)が強い
- 思い込みが激しく
- 依存心が強く
- 承認欲求が強い
などのことが挙げられます。
そして、
- 今の現状を変えたい
という想いが強くなっている時もマインドコントロールを受けやすくなります。
このような時に、催眠状態に陥るためです。
ボイストレーナーが催眠術に長けてなくても、
- プロの歌手になりたい
という欲求が強いため、
自らで催眠状態に陥って冷静な判断力が失われ、
トレーナーの言うがままになりやすくなります。
さらに、
- 聞いたこともない医学用語
を織り交ぜて説明するために
- この人すごい
と言う印象を与えられ、トレーナーの方に意識が集中します。
これは「権威づけ」という催眠技法の一種で、マインドコントロールをかけようとする人が行う常套(じょうとう)手段です。
これによって、さらに視野が狭くなり催眠が強くなり、思考停止状態になります。
その上で、
- ボイストレーナーが歌手のカバー曲を歌い
実力を示しているのです。
冷静に聞けば、上手いのは確かですが、プロの歌手に比べれば声に魅力がないことがわかるのですが、催眠状態に陥ると、プロとトレーナーとの違いに気が付きません。
そこで、ボイストレーナーが実力者だと思い込ませたら、催眠は成功です。
その催眠状態で、
- 歌が上手くなれる
とか
- プロのように高い声(ミックスボイス)が出せるようになる
とか
- プロのようにファルセット(裏声)を綺麗に出せるようになる
とか
- プロのように腹式呼吸ができるようになる
などと言うと、ボイストレーナーの言葉を素直に信じてしまいます。
本気でプロを目指している人であれば、「だからボイトレに通わなければ」と思ってしまう人もいるでしょう。
実際にレッスンを受け始めると、深い催眠状態に陥る恐れがあります。
それが「腹式呼吸」です。
多くのボイストレーニングが腹式呼吸を取り入れていますが、腹式呼吸をはじめとする呼吸法には大きな弊害があります。
【参考記事】呼吸法のリスク(呼吸法の効果とリスク)
その一つが、催眠です。
腹式呼吸によって深い変性意識状態(催眠)に誘導されやすくなるのです。
深い催眠状態に陥ってしまうと、
- 「いつかプロになれる」と信じてはじめ
- 続けるうちに、ボイストレーナーに尊敬の念が生じて従順になり
- いつしかトレーナーの信者になり
- 顔色を伺いながらトレーナーの喜ぶような歌い方を目指すようになる
というケースも考えられます。
本当に、そのようになってしまったら本末転倒です。
ボイトレの幻想と現実のプロの歌声
しかし、実際のプロが
- ミックスボイスを使っているのか
- 地声と裏声を明確にしているのか
- 腹式呼吸で歌っているのか
というと、疑問です。
むしろ、
- ミックスボイスという言葉すら知らない
- 地声と裏声をロジカル(論理的)に使い分けていない
- 腹式呼吸は意識していない
ように思えます。
この根拠は、昔、歌い手のスカウトの人から聞いた話によるところからです。昔、東京に住んでいた時、歌手のスカウトを行なっている人と知り合いになっていました。
その方は
「ボイトレをしている人は、スカウトされないのよね」
と言い
「ヘタうまな歌い手はとても貴重なんだ」
と言っていました。
私は、その業界の人間ではないので、その意味が分からず、
その方に
「ヘタうまな歌い手さんというのは、例えばどなたなのですか?」
と聞くと、有名で長年活躍している数名の歌手をあげてくれました。
「あー、なるほど」
と納得しました。
その歌手の方々は、どなたも一癖ある歌い方をし、曲を知らなくても「あー、誰々だ」とすぐにわかるぐらい個性のある声の持ち主です。
そして、味のある独特の響きを持った歌い方をし、人々を魅了します。
その反面、アンチも多いのがヘタうまの歌手の特徴でしょう。
スカウトされる基準はうまさではなく
- 個性的な声
だったのです。
個性的な声を手に入れるために必要なこと
この記事を読んでいる人の中で
- プロのような高い声を出せるようになりたい!
と思い、
- ボイトレを考えている
あるいは
- ボイトレを受けている
で、
- プロの歌手を目指している
人がいるとしたら、参考にしていただけれると思います。
このページは、脱力体を作る「脱力トレーニング」をテーマにしております。
なので、主なテーマはボイトレではありません。
しかし、脱力体が作られるとボイトレを行わなくても声の通りが良くなります。
そして、ボイトレでは教えられない
- 声の通りを良くする身体動作法
も知り得ています。
これは、脱力体が作られることで、身体に生まれ持って備わっている発声システム「ダブル共鳴」が作動できるようになるためです。