変性意識に陥ると、子供に帰るような状態になります。
ですが、子供と変性意識とでは本質的には異なり、骨で体を支えているか、どうかで決まります。
- 骨で体を支えられていれば「脱力体」
- そうでなければ変性意識
です。
実際に、変性意識に陥ると、
- やらなければならないことを後回しにしたり
- 不平不満が多くなったり
- キレやすくなったり
と性格が子供っぽくなったり、
- 記憶力が良くなったり
- 集中力が高まったり
など、子供に見られる特性が強く見られるようになります。
子供は、骨で体を支えていますが、大脳の前頭連合野の働きが未発達のため、自意識が形成されてません。
それに対して変性意識の状態は、前頭連合野は成熟しているが、骨で体を支えられていません。
ただ、最近の子供は、姿勢を崩してゲームなどに夢中になっているので変性意識に陥っているケースが多いですが。
このことが、子供の「脱力体」と変性意識との大きな違いです。
成長による自己の形成と老化による変性意識
「脱力体」の状態にある時、体幹部のインナーマッスルの緊張と弛緩をまめに行うことで姿勢を制御しています。
単に筋肉を固めて支えているのではありません。
さまざまな筋肉を収縮させたり弛緩させることで骨格のアライメント(位置)が効率よく立てられるように、常に調整しながら姿勢を細かく制御しているためです。
このことで、脳と筋肉とに構築されたネットワークが活発になり、それに伴い、脳の働きも活性化されます。
子供の頃は、このようなネットワークが発達しているため、骨で体を支えることが可能です。
ですが、子供は、大脳の発達が発展途上であるため、前頭連合野(意識を統括する箇所)の働きが弱いため、自意識が未熟です。
大人になるに伴い、前頭連合野が成熟すると自意識も成熟します。
これが、自己の形成です。
しかし、悲しいことに加齢と共に、姿勢を制御するシステムが低下し、これによって身体機能の低下が起こります。
そう「老化」です。
そして、この大きな原因となるのが、「体の歪み」です。
体の歪みを作っているのが、日常生活を記憶する脳のプログラムであり、日常生活動作をインプットするたびに複雑化し、これを記憶することで体の歪みが生じると考えられます。
なぜかと言いますと、記憶した動作を行えるように脳が待機信号を送り続けているためです。
それが、体の歪みとして定着化し、骨の変形、関節の摩耗、筋肉の硬化と萎縮などを引き起こし、体の歪みが固定化してしまいます。
特に体幹部に歪みの固定化が生じやすく、これが、加齢に伴う、スタイルの崩れ、内臓機能の低下、疼痛の原因になるのです。
体の歪みが強くなると、姿勢制御システムの働きが弱くなり、それに伴い、脳の働きも悪くなります。
そうなると、脳のバグ(誤作動)を起こしやすくなります。
これによって生じるのが「変性意識」です。
とういうことは、深い変性意識に陥るということは、体の老化を促進させることで脳の機能を幼児化させ、一部分の機能だけを爆発的に高めていることになります。
言葉を変えれば、自分の欲しいもののために、身体を犠牲にしていることです。
これは、自ら進んで「身体の退化」させていることを意味します。