「脱力体」によって得られる効果は、変性意識のそれと、よく似ています。
なぜ似ているの?かと言いますと、深い変性意識状態も「脱力体」も使われる脳の領域が同じだからです。
仮に深い変性意識状態で得られた能力でも、「脱力体」になったからと言って無くなることはありません。
「脱力体」と深い変性意識によって得られる能力との大きな違いは、その能力を意識(顕在意識)を保ったまま使うことができることです。
言うなれば、
- 意識(顕在意識)を潜在意識の領域まで広げること
すなわち
- 意識を保ったまま、潜在能力を認識して引き出す
ということです。
なので、深い変性意識状態に陥り、心身を犠牲にする必要がありません。
そのようなこと不可能なのでは?と思うかも知れません。
それは、「脱力体」を手にする方法を知らないからです。
方法を知ってしまえば、深い変性意識に入るよりはるかに簡単です。
ただ、「脱力体」を定着化させるためには強い意思力が必要ですが。
定着させることができれば、
- 自らの経験と他からの情報などを処理して
- 身体も健康になり
- 心の囚われがなくなり
- さらに自らを高め続けられる
ことで、人生を好転させることもできます。
脱力体は特別な人間の専売特許ではない
「脱力体」が作られると、身体の構造に沿った骨格を中心に体を支え、骨格を中心に筋肉を効率よく連動させる動作を行うことが可能になります。
ということは、力のロスを最小限に留めつつ、最大限の出力を出すことが可能になるということです。
このことで、脱力しやすくなるのです。
これは、身体に負担をかけずにハイパフォーマンスな動作を行うことができるということです。
「脱力体」を作るメリットは、身体動作ばかりではありません。
脳の活性化にも大きな影響を与えます。
脳の働きは、脳の中だけの問題ではありません。
筋肉や内臓などの働きも深く関係しているのです。
なので、体幹部の動きが調整されると背骨が真っ直ぐになり、脊髄の圧迫がなくなることで筋肉や内臓との伝達が良くなり、それに伴って脳の働きが高まります。
このことで、脳の機能をフルに活用されやすくなり、変性意識に陥りにくくなります。
さらに、内臓が圧迫されなくなります。
この理由は、体幹部の動きが調整されることで背骨と肋骨、そしておなかを囲むインナーマッスルである腹横筋が働き、体を支え、内臓を守ってくれるためです。
このことで、内臓の働きが高まります。
これが、脱力体の大きなメリットです。
脱力体は、あらゆるスポーツの頂点に立っている人に多く見られますが、彼らの専売特許ではありません。
我々のような一般人であっても、その素養は持ち合わせてます。
なぜならば、頂点に立つ人間も我々も身体の基本構造に大きな違いがないからです。
なので、一般人にも脱力体を得ることができますし、その恩恵を得ることもできます。
我々のような一般人は、ハイパフォーマンスや好成績を得る必要はありません。
それ以外に得られる効果があります。
それが、
- 若返り
- 姿勢改善
- 体質改善
- 思考の整理
- メンタルケア
などの効果です。
なので、脱力体を得ることは、我々のような一般人にとっても有意義だと思います。
「脱力体」を阻む壁
「脱力体」は、特別な人間の専売特許ではありません。
「脱力体」を手にすることは誰にでもできます。
そして、誰にでも恩恵をもたらします。
脱力体を手に入れるために必要なこと
それは、体幹部の感覚を鋭くすることです。
しかし、ここで大きな問題があります。
人の脳は、体幹部の感覚がとても薄いという問題です。
人の感覚は、手先や足先、顔面など、体の末端が強く、そして、動かしやすいです。
さらに、使用頻度も多いため、どうしても末端部への意識が濃くなります。
実際に動作する時に、体幹部の動きなんて意識しませんし、仮に意識してしまったら手先が疎かになって目的とする動作をうまく行うことができません。
専門的なさまざまな技術は、手先の使い方、足の使い方などが優先されるのが当たり前です。
それでも、人は問題なく生活することができます。
これは、手足を動かすと自動的に体幹部が動くように、脳幹や小脳が自動的に姿勢を制御しているからです。
体幹部の動きは、大脳の支配を受けずに動くため、体幹部の動きが意識されることはありません。
ですが、加齢と共に手足の動きが悪くなり、これがパフォーマンスの低下につながります。
特に、大出力とハイスピードが要求されるスポーツなどでは、致命的なパフォーマンス低下に陥ってしまいます。
これは、体幹部の骨の動きが悪くなることで姿勢を制御する能力が低下するためです。
この原因は、背骨が歪み、背骨の後ろを通る脊髄を圧迫されてしまうことにあります。
そうすると、脳と連絡を取り合っている筋肉や内臓への連絡が滞ります。
そのことで、筋肉に過剰な出力を行わせたり、内臓からの伝達が悪くなり、脳の働きも悪くなります。
その結果、手足を円滑にスムーズに動かせなくなってしまうのです。
この問題をクリアするために行うのが、脱力クリエイトが提唱する「脱力トレーニング」です。
【関連ページ】脱力トレーニングとは
「脱力トレーンング」とは
「脱力トレーニング」とは、
- 骨で体を支え
- 骨を中心に体を動かす
トレーニングです。
人は、完全に骨格で体を支えていますが、骨だけでは体を支えることはできません。
骨で体を支えるためには、骨と骨とをまたぐ筋肉を収縮させたり弛緩させたりする必要があるためです。
そして、筋肉の収縮と弛緩を指令するために脳があり、神経があります。
なので、骨に筋肉、神経、脳がなければ、体を支えることができません。
しかも、人は二足歩行を行い、2本の足で体を支えています。
それは、とてもバランスが悪い状態です。
それでも体を支えることができるのは、骨の強度と共に、筋肉の強さ、脳神経系の伝達と姿勢維持に必要な超高度なシステムが備わっているからです。
人は、本来、このような高度なシステムを常に作動させています。
これが骨で体を支え、骨を中心に体を動かす「脱力体」による脱力です。
身体を進化させる「脱力体」
「脱力体」を手にすることができれば、深い変性意識に陥ることなく、
- 集中力が高まる
- パフォーマンスを高める
- 健康になる
ことができるようになります。
なぜならば、脳、内臓、筋肉、骨など全身の機能をフルに活用できるからです。
しかも、身体に負担をかけることなく。
パフォーマンスの良し悪しは、単純な身体能力だけではありません。
- 相手の行動や思考を読む洞察力
- 風や湿度などの差を知る観察力
- 自身の身体の状態を深く把握する能力
などを兼ね備えれば、相対的にパフォーマンスを高めることができます。
最善な方法は、最悪な状況を事前に回避することです。
- 名人に名手なし
「脱力体」が作られると、このようなことが行いやすくなります。
視野を広くして、できるだけ多くの情報を収集し、処理し、行動を決定することが大事になります。
このことで、自分自身をより良いものへと進化させ続けることができます。
そのために必要なものが「身体軸」だと考えております。