変性意識に陥ることによって、さまざまな弊害がもたらされます。
しかし、人が生きている以上、変性意識に全く陥らないようにすることは不可能です。
変性意識そのものは、
- ボーとする
- 考え事をする
- 昔のことを思い出す
- (お酒を飲んで)ほろ酔い気分にある
- 楽しい時間を過ごす
など、誰しもが経験します。
このような、軽度の変性意識でしたら、問題ありません。
しかし、深く入り込んでしまったら厄介です。
例えば、
- しなければいけないことがあるのに、スマホを見てしまう
- なんとなく人の言いなりになってしまう
- 怒りっぽくなってしまった
- やる気がなくなる
- 「やめた方がいい」とわかっていても止められない
といったことなど。
これらは、変性意識の深みにハマっていると思って間違いありません。
このことで、
- 自分の時間が奪われる
- 人に操られる
- 人や物、行為に依存する
- 精神の不調(幻覚・幻聴)が伴う
- 体の不調(自律神経失調・原因不明の痛み)に悩まされる
- 意欲がなくなる(抑鬱状態)
- ハイテンション(躁状態)
などの弊害(デメリット)が伴ってしまいます。
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そうならないように、変性意識の深みにハマらないように気をつけてなければなりません。
では、どのようにすれば変性意識から脱却することができるのでしょうか?
変性意識から脱却するための手段
変性意識から脱却するためは、心と体の過緊張状態を解く必要があります。
まず、
- 精神的に安心できる空間を得る
ことが第一です。
ですが、それ以外のところでも過度な緊張を起こさないようにする必要もあります。
よく、暗示をかけてたり、物事の考え方を変えるようなアプローチを行おうとしがちですが、過緊張状態の身体には通用しません。
かえって緊張を強くしてしまいます。
そこで、
- 身体に働きかける
ことがポイントになります。
身体の緊張を解くことで、精神的な緊張が和らぎます。
そのためには、
- 変性意識状態にある時、身体がどのようになっているのか?
を知る必要があります。
変性意識の原因(脳のオーバーヒート)
変性意識に陥る大きな原因として、
- 内臓の冷え
- 脳のオーバーヒート
の2つが考えられます。
まず、内臓の冷えによって自律神経のバランスが崩れ、交感神経優位に働きます。
そうなると、呼吸を制御する呼吸筋(横隔膜と肋間筋)が過緊張状態になります。
このことで、脳がオーバーヒート状態になります。
その理由は、脳にこもった熱を排出しにくくなるためです。
脳には、多くの血液が流れ、エネルギーを多く消費する器官(基礎代謝の約20%)として知られ、多くの熱を発生させています。
それとは裏腹に、頭蓋骨の中に囲まれているため、熱を逃しにくい構造でもあります。
通常、脳で発生した熱は呼吸によって排出されます。
このメカニズムは、肺によって熱が放出される理由は、呼吸によって体温よりも低い空気が入り、空気よりも暑い肺の中の空気を出すことによって体内の熱が放出されることにあります。
ですが、交感神経が強く働くと呼吸も浅くなってしまいます。
このことで、呼吸からも熱を逃しにくくなるのです。
脳以外の器官は、交感神経優位な状態でも皮膚から余分な熱を放出できるのでオーバーヒートしにくいのですが、脳に限っては直接放出することができません。
呼吸が浅くなってしまうと脳がオーバーヒートを起こしてしまうのは、脳にこもった熱が放出されなくなるためです。
呼吸の働きがとても重要になるのは、そのためです。
脳がオーバーヒートを起こすと、どのようになるのか
脳がオーバーヒートを起こすと、脳のバグ(誤作動)を起こし変性意識に陥りやすくなります。
例えば、パソコンなども熱がこもると、性能が格段に落ち、バグを起こしやすくなります。
それどころか、そのまま放置していると故障の原因になります。
そうならないように、ハードディスクのパソコンなどは、熱を逃すためにファンを回わして熱を逃しています。
人の脳も同様で、熱がこもると誤作動を起こしてしまいます。
このような状態は、本来であれば、心身ともに辛い状態です。
ですが、不思議なもので、その辛さを忘れるばかりか、逆に快楽を覚えることさえあります。
変性意識状態にあると脳内ホルモンであるドーパミンが過剰に分泌されます。
ドーパミンは、興奮と快楽を生む脳内ホルモンで、人に活力を与えるなくてはならないホルモンです。
辛い困難に直面しても、状況を打開することができるのも、ドーパミンのおかげです。
ドーパミンは、本来、身体を使って働く時に分泌されます。
そのような時ですと、同時にセロトニンなどドーパミンの働きを抑制するホルモンも分泌されるので、ドーパミン過多になる心配はありません。
ですが、人間は、身体に負荷がかかっていなくても脳に負荷がかかった状態になれば分泌されてしまいます。
これは、脳にだけに負担をかけた状態、すなわち、脳のオーバーヒートです。
そうなってしまうと、セロトニンが分泌されないので、ドーパミン過多になってしまいます。
これによってドーパミンが過剰に分泌されてしまい、それによって快楽(興奮)に溺れるという厄介な性質があります。
例えば、テレビやスマホをボーと見ているだけでもドーパミンがドパドパと出ています。
ちまみに、ついついテレビをつけたり、気がついたらスマホを眺めたりしてしまうのは、脳がドーパミンの分泌(快楽)を求めるためです。
ただ、長時間テレビやスマホを眺めていると、なんとも言えない疲労感に襲わてしまいます。
この疲労感こそ、
- 内臓の働きの低下
- 脳のオーバーヒート
によるものです。
ですが、ドーパミンによって生み出される興奮と快楽によって、体の疲労感に気が付きません。
このように、知らず知らすのうちに身体に、特に脳や内臓に負担をかけてしまいます。
変性意識を解くカギとなる「中丹田」
変性意識を解くポイントとなるキーワードが「丹田」です。
丹田というとへその下にある臍下丹田が有名です。
ですが、丹田には、上丹田・中丹田・下丹田(臍下丹田)の3つがあると言われています。
【関連記事】3つの丹田(上丹田・中丹田・下丹田)
変性意識から脱却するためには、3つの丹田が大きな役割をしますが、その中でも脱力クリエイトが最も重要視しているのが中丹田です。
【関連記事】中丹田の効果
その理由として、中丹田の位置が胸郭の中心にあることです。
胸郭とは、肋骨で囲まれた部位のことで、呼吸と深く関わっています。
胸郭が広がったり縮んだりすることで肺の中の気圧が変化して空気の出し入れが行われます。
中丹田は胸郭の働きを司るため、中丹田を作ると肋骨の動きが良くなり呼吸がしやすくなります。
そうすれば、脳にこもった熱を放出することができるため、脳のバグを解消することができます。
また、呼吸が深くなることで、副交感神経の働きも高まり、内臓の働きも高まって、おなかの冷えも解消されます。
結果的に、脳を司る上丹田、内臓を司る臍下丹田の働きも高まります。
このことで、変性意識状態から解放されていきます。
脱力クリエイトでは、中丹田と同時に、3つの丹田を作る丹田トレーニングを行なっております。