丹田というと、ヘソの下にあると言われている臍下丹田をイメージする人が多いと思います。
臍下丹田が作られることで上虚下実の状態が作られ、心身ともに良好な状態になります。
ですが、臍下丹田を作ることが困難です。
その理由として、臍下丹田を作ることに意識を集中させる《意守丹田》によって、催眠という変性意識(意識の狭窄)状態に陥ってしまうからです。
意念を用いて臍下丹田に作るという行為が脳に負担をかけてしまうためです。
意識を集中させようとすると、必ずといっていいほど
- 息を止めたり
- 呼吸が浅く
なります。
これは、臍下丹田についても例外ではありません。
あと、臍下丹田の位置も作りづらい理由は、その他にもあります。
臍下丹田は、骨盤と下腹部の中心にあると言われています。
身体の構造上、下腹部のまわりには骨がないため、腹横筋という腹筋の最も深部にある筋肉が働くことによって効果的に体を支えることができます。
臍下丹田が作るためには、腹横筋が働くことが必要条件になります。
ですが、人には厄介な性質があり、臍下丹田のあるおなかに意識を向けると、表面の筋肉(アウターマッスル)を緊張させてしまいます。
そうなると、腹斜筋(外腹斜筋・内腹斜筋)という側腹部の表層筋に力が入り、姿勢が崩れてしまいます。
これらの筋肉は、上体を捻ったり、体を屈めたりするような体を支える筋肉であり、体を支えるための筋肉ではありません。
そうすると、腹横筋が働かず、体の支えがなくなるため臍下丹田も消えてしまいます。
また、このことで呼吸も浅くなります。
呼吸が浅くなることで頭にこもった熱がうまく放出されずに脳に留まり、脳のバグ(誤作動)を起こす変性意識状態に陥りやすくなります。
丹田を作ろうとすればするほど、丹田を作れなくなるという悪循環に陥ってしまうのは、そのためです。