「丹田を作る」というと呼吸法を連想する人もいると思います。
結論から言いますと、呼吸法では丹田は作ることはできません。
でも、丹田呼吸法というのがあるのでは?
と思う方もいらっしゃると思います。
脱力クリエイトでは丹田呼吸法は行っておりません。
その理由は、丹田に意識を集めるように呼吸をすると変性意識という脳のバグ(誤作動)を起こす心配があるためです。
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そうなってしまうと、丹田の効果として重要な内臓の働きを弱めてしまいます。
その理由は、丹田に意識を集中して催眠に入る上に、呼吸法で一時的な酸欠状態を作ることで深い変性意識に陥ってしまうからです。
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もし丹田呼吸法を行うのであれば、はじめに丹田を作り、その上で呼吸を行った方が無難です。
そもそも丹田呼吸法は、丹田の会得法ではありません。
なぜ、呼吸法で丹田を作ろうとしてしまうのか?
短絡的な思考と脳の勘違い
これは、人の脳の性質が影響しています。
ある先人が、呼吸法で丹田を練るという修練を行っていました。
その後継者も、先人と同じように実践しようとします。
何の疑いもなく。
その内、このことが常識となり、それ以外の選択肢があることを知ろうとはしません。
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このように、無批判に信じ、実践するという思考停止状態こそが催眠であり、変性意識です。
この思考停止状態にあると、物事を短絡的に捉えてしまいがちになります。
なので、丹田があると言われる下腹部を意識しながら呼吸を行えば、丹田ができると短絡的に捉えてしまうのでしょう。
しかし、身体の原理は、そのように短絡的なものではありません。
このような短絡的な思考によって、行われる身体動作の手続きが煩雑になってしまうのです。
呼吸によって丹田を作ろうとする時、下腹部に意識を集めて呼吸が行われます。
人が体の部位に意識を向けると、その周りの筋肉に力が入るという性質があります。
この性質によって、腹斜筋というおなかの表面の筋肉(アウターマッスル)に力が入ります。
そうなると、上体が前かがみになるように力が入り、姿勢が崩れます。
特に、多くの呼吸法は息を長く吐くことを重要視するために、腹筋を使って息を吐こうする傾向が強くなります。そうなると姿勢が崩れやすくなります。
姿勢が崩れを防ごうとすると、腹斜筋に拮抗する背筋にも力が入ります。
これによって、全身の筋肉に力が入りやすくなります。
しかし、これでは丹田への意識が薄れてしまいます。
そこで、意識的に脱力して丹田に意識も集めようとします。さらに、息を吸ったり、止めたり、することに意識が向くと、丹田への意識が薄らいでしまうため、丹田に意識を向けようとします。
このように、
- 丹田に意識を向ける
- 腹筋を使って息を吐く
- 腹斜筋に力が入り姿勢が崩れるのを防ぐ
- 「力み」を消すように脱力する
- 息を吸う、止めるを行う
という作業を延々と繰り返すことが「丹田を作る」という充実感になります。
そのため「丹田を作る」という煩雑な過程を踏むことが必要だと捉えてしまうのでしょう。
しかし、これは「力み」であり、変性意識による勘違いです。
本来の丹田呼吸とは
身体の構造に沿えば、丹田を作る過程は、いたって単純です。
逆に、そうでなければ、丹田を作ることなどできません。
しかし、丹田のように目に見えないものは、実感を伴いにくく、本物なのか?偽物なのか?という基準が曖昧です。
そこで、脱力クリエイトでは、丹田(臍下丹田)に対する判断基準を設けています。
それは、
- おなかに力が入っていないか?
- 呼吸は自然か?
- 身体軸はあるか?
- 地面の感覚はあるか?
- おなかが温まっているか?
などの基準です。
ただ、感覚への解釈が異なるので、伝える時には、その人その人に合わせて行く必要があるため、これが正解だとは限りません。
このような状態の時、複数の感覚を同時に感じることができるようになります。
意識には、目的意識と感覚意識があります。
意図的な意識は目的意識です。
それに対して、意図しない意識は感覚意識で、複数の感覚を同時に感じることができます。
丹田は、あくまでも感覚意識であり、目的意識ではありません。
なので、意図的に丹田に意識を向けなくても、自然と丹田の感覚が伴っています。
丹田の感覚は、目的意識ではなく、感覚意識です。
もちろん、丹田を作るという目的意識があるから丹田を作ることができるわけですが、目的意識を丹田に集中させないことが、丹田を作るコツです。
このように丹田を作っていくと、意識的に働かない腹横筋という体幹を支える筋肉が活発になります。
そうすると、内臓が保護される形になり、内臓の働きが良くなり、自律神経のバランスが良くなり、自然と深い呼吸が行うことができるようになります。
なので、丹田呼吸法を行わなくても、丹田を作ることで深い呼吸が行えるようになります。
これが、本来の丹田呼吸なのです。