生きていると良いこともあれば、悪いこともあります。
でも、不思議と良いことが続くと「悪いことが起きるのでは?」と思ってしまいます。
かと言って、悪いことばかりが続いても「ちっとも良いことない」と塞ぎ込んでしまいます。
多くの人は、良いことよりも悪いことの方に意識が引っ張られてしまいます。
まれに、「良いことしか考えられない」という人もいますが・・・。
そもそも、ネガティブな感情はとても大切です。
ネガティブな感情が不快に感じるのは、自身の身を守るために、記憶に強く刻み込むためです。
そうしなければ、自身の身を守ることができません。
ですが、ネガティブな感情に囚われていては、快適に生活することができなくなります。
なので、どこかでネガティブを解消する必要があります。
でも、安心してください。
本来、人にはネガティブを解消する能力が備わっています。
ただ、その能力を発揮できないまま悶々としている人が多いことも事実です。
なぜ、人はネガティブに考えがちなのでしょうか?
ネガティブになりやすい理由(脳の性質)
これは、脳の性質によるものです。
人の脳には
- 思考とイメージを司る大脳皮質
- 感情と本能を司る大脳辺縁系
- 生命の維持を司る脳幹
の3つ領域があります。
そのうち、ネガティブな感情は大脳辺縁系の働きによって引き起こされます。
これは、外敵から身を守るために自身に危害を加えようとするものを記憶して忘れないようにするためです。
そして、外敵から身を守ることを強く意識づけるためでもあります。
もし、自身に危害を加えようとする情報を記憶できなければ、外敵に対して警戒を怠ってしまい、外敵に襲われるリスクが高まります。
そうならないように、外敵など自身に危害を加えるような障害を忘れないように強く記憶されるのです。
人がポジティブなことよりもネガティブなことに強く反応してしまうのは、そのためです。
このように、ネガティブを感じることは生きていく上で必要です。
それは、ネガティブを感じることで反省したり、危険を予測して、失敗を繰り返さないように行動できるからです。
とは言っても、あまりにネガティブに囚われてしまってもいけません。
ネガティブに囚われることで、自身の持っている能力や可能性を無駄にしてしまうからです。
なので、ネガティブな感情に振り回されないようにする必要があります。
ですが、人は、ネガティブな状況に立たされると、その状況に気を取られます。
それは、なぜなのでしょうか?
体の不調をきたす「体の歪み」
その理由は、体の歪みにあります。
人の重心は、意識を向けた方向に動きます。
例えば、目の前にある作業を行なっている時は、作業を行なっているものに意識が集中します。
そうすると、意識と共に重心が前に移ります。
そのままでは、体が倒れてしまうので、バランスを取るために腰が後ろに引けて、背中が丸まる猫背の姿勢になります。
このような姿勢は、身体の構造にとって望ましくない姿勢です。
ですが、無意識に行われているため気がつきません。
そのため、修正されることなく、体の歪みとして脳にプログラムされてしまいます。
これが、体の歪みの固定化です。
体の歪みの固定化は、日常生活を記憶する脳のプログラムによって作られています。
脳のプログラムは消去するわけにはいきませんが、筋肉を力ませて体を支えるという習慣は改める必要があります。
このことによって、さまざまな弊害がもたらされるからです。
例えば、
- 肩こり
- 腰痛
- 五十肩
- 腱鞘炎
- 膝痛
など、筋肉や関節のトラブル。
これらのことは、体の歪みと関係していることは想像しやすいと思います。
ですが、
- 冷え性
- 不眠
など、自律神経に関係しそうなこととも体の歪みの歪みの固定化によって引き起こされやすくなります。
なぜならば、交感神経が背骨のすぐ横を走行し、常に脊髄と連絡を取り合っている位置関係にあるためです。
なので、背骨の歪みが強いと交感神経を刺激しやすくなると考えられます。
それによって自律神経のバランスが崩れ、冷え性や不眠などを引き起こしやすくなります。
自律神経の乱れが引き起こすネガティブな感情
このように自律神経のバランスが崩れやすい状態というのは、メンタルに深く関わってきます。
例えば、
- 不安
- 恐怖
- 怒り
などがそうです。
ネガティブな精神状態というのは、自律神経のバランスが整った状態では起こりにくく、もし、何かの出来事があって突発的にネガティブになったとしても、その状況が収まれば自然と収まります。
ですが、その状況が収まったにもかかわずネガティブな感情に支配され続けてしまいがちです。
その理由は、普段から自律神経のバランスが崩れているからです。
このため、本能を司る大脳辺縁系が自律神経の乱れに対して、外敵に襲われ続けているというように誤認し、ストレス反応を出し続けてしまいます。
そうなってしまうと、理性と知性を司る大脳皮質の前頭連合野(おでこの内側)の働きを弱めてしまい、冷静な判断ができなくなります。
人間の機能は、自律神経のバランスが整った状態でフルに機能できるようになっています。
しかし、このように自律神経が乱れてしまった状態では、その能力を発揮できません。
このような状態を「変性意識」と言います。
【関連記事】脳のバグ(誤作動)を起こす変性意識
この変性意識状態に陥ってしまうと正常な判断ができなくなります。
そうなると、ストレスから回避された状況にあっても、ストレス状態にあるような錯覚を覚えます。
これは、変性意識によって不快な記憶がリピートされ続けてしまうためです。
この不快な記憶に大脳辺縁系が反応し、ストレス反応を出し続けてしまいます。
これが、ネガティブを引きずってしまう大きな要因だと考えられます。
このような変性意識状態が解除できれば、ネガティブに引きずれらなくなるということになります。
変性意識を解き、ネガティブを活かす身体軸
ここで重要となるのが、身体軸です。
身体軸を作るとネガティブを引きずらなくなります。
ただ、身体軸を作ったからと言って、ネガティブな感情がなくなるわけではありません。
むしろ、ネガティブな感情を大切にしながら、ネガティブな感情に囚われることなく、利用して自身の成長につなげることができます。
この原理は、身体軸によって体の歪みを改善し、自律神経のバランスを整えることにあります。
体の歪みが改善されると、背骨の位置がよくなり、自律神経への過度な刺激がなくなります。
そうすると、大脳辺縁系がストレス反応を解除してくれます。
このことで、変性意識状態から脱することができ、変性意識によって生じたネガティブな記憶のリピートも解除されます。
それに伴って、大脳皮質の前頭連合野の働きも復活し、冷静かつ知的な思考が蘇ります。
身体軸を作ることで、ネガティブな感情を緩和し、ネガティブな経験を生かして成長することができるのです。
身体軸を習慣化する意義
普段より身体軸を習慣化することで、重心が安定します。
重心が崩れやすくなるのは、日頃から重心が不安な姿勢を強いられているからです。
そうすると、骨格の位置が崩れてしまいます。
そこで、倒れないように筋肉が頑張ってしまいます。
本来、人は骨格の位置が崩れてバランスが取れなくなると、その状況にとって都合の良い骨格の位置に戻そうとします。
ですが、多くの人は骨格の位置を自動的に戻す機能が衰えてしまっています。
このことによって、身体の構造に沿わない姿勢が強いられるのです。
身体軸を持つことで、骨格の位置を戻す機能が復活します。
そうすれば、日常的な動作を行なっても姿勢は崩れません。
もし姿勢が崩れてしまったら、その状態が不快に感じます。
そのため、姿勢を整えるように習慣化されていきます。
このように日常生活を送ることで、作られた身体軸が強化されます。
そして、身体軸が作られることで、大脳皮質の働きが高まり、意識が広がります。
そうすると、一つのことに集中した状態でも他の所にも意識を持つことができます。
なので、咄嗟(とっさ)の動作が強いられても重心を崩すことなく対応することができます。
身体軸を作ることで、体の歪みの固定化を防ぐことができ、ネガティブな記憶をリピートさせる変性意識状態を引き起こさなくなります。
このことで、
- 人間関係
- 心の葛藤
- 痛みへの囚われ
- 時間の浪費
などのような変性意識による泥沼にハマることがなくなり、より良い生活が送れるようになると考えております。