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スピリチュアルという変性意識

スピリチュアルというと、どのようなものをイメージしますか?

  • ヒーリング
  • チャネリング
  • 引き寄せの法則
  • パワーストーン
  • パワースポット
  • 占い
  • アロマテラピー(香り)

などでしょうか?

 

スピリチュアルという言葉がよく聞かれるようになったのは、あのテレビ番組が大ヒットしてからでしょう。

 

それまでは、精神世界と言われており、

  • オカルト
  • 陰謀論
  • 予言
  • 自己啓発
  • 能力開発

など一部の熱心な人たちの怪しそうなものと認識していました。

 

それがスピリチュアルという言葉が出てくるようになった頃からは、怪しいイメージがなくなり、今では世間に認知されています。

 

これらの共通点は「見えない世界」を扱っているということです。

 

ただ、以前の精神世界にあった自己啓発的な要素が少なくなり、今風のスピリチュアルは、癒しや開運など、身近なことなどがテーマになっています。

 

一昔前でしたら、見えない世界や非科学的なものを扱うものに対して一種のアレルギー反応のような空気がありましたが、それが、いつの間にか市民権を得て、今では、スピリチュアルは大きな産業になっています。

 

そのためなのか、スピリチュアルに多額のお金をつぎ込む人も増えてきて一部で問題になっているようです。

 

なぜ、大金を注ぎ込もうとするのか?

気分を高揚させて自意識をなくすスピリチュアル

スピリチュアルと変性意識はとても相性が良く、マインドコントロールの手段として使用されやすいという側面があるからです。

 

スピリチュアルという言葉が一般化したことで怪しく思う人が少なくなり、見えない力に憧れを抱く人も増えてきたことも大きいかもしれません。

 

一般化してきた事情にはテレビ番組の大ヒットがありますが、その背景には、バブルがはじけてからの景気の低迷や現実社会に希望を見いだせない世の中の閉塞感があるように思います。

 

また、便利なものに満ち溢れ、物資偏重の科学的な考えだけでは幸せを得られないことに気がつく人が多くなったこともあるかもしれません。

 

そこに乗じて、スピリチュアルを事業として発展させるカリスマ的な経営者が現れ、強い発信力によって多くのファンをつけて、高額なグッツを買ったり、高額なセミナーに参加したりして収益を上げています。

 

その代表的なものに、

  • アセンション(意識の次元上昇?)

だったり

  • 引き寄せの法則

などがあります。

 

この2つには、ある共通点があります。

 

アセンションであれ、引き寄せの法則であれ、人生に希望を抱くことのできる言葉です。

 

そう、人の気持ちを高揚させる魅力があります。

 

スピリチュアルを謳う経営者は、これらの言葉を餌に「私の言う通りにすれば、自分の思い通りの人生を歩くことができる」と言う都合の良い話を聞かせ、気持ちを高揚させてファンを作っていきます。

 

このような話を聞きたいと思う人は、生活に疲れ、悩みに苛まれ、現実に不平不満を抱いています。

 

そうなると、疲労とストレスによって思考停止状態に陥り、物事の分別が不明瞭になってしまいます。

 

そこに、心地よい言葉、願い願望、欲求を満たす言葉を聞くことで気持ちが高揚し、あたかも自分の思い通りに実現できるような錯覚を覚えます。

 

この時、脳の中ではドーパミンという気持ちを高揚させるホルモンが分泌されます。

 

ドーパミン自体は、人にやる気を促し、活力ある人生を送るために必要なホルモンです。

 

物事を遂行して成功した時に感じる達成感もドーパミンによるもので、この時に多く分泌されます。

 

また、成功した時だけではなく、遂行している段階でも分泌されるため、困難なことに対しても、物事を遂行しようとする強い意志を抱くことができるのもドーパミンのおかげです。

 

物事を成功させるとドーパミンと同時に、セロトニンという精神を安定させるホルモンが分泌されます。

 

このことによってドーパミンの過剰分泌が抑えられ、精神のバランスが図られるようになります。

 

ですが、ドーパミンだけが分泌され続けてしまったら、ドーパミンの分泌が過剰になってしまい、逆にドーパミンに反応しないようになってしまいます。

 

そうなると、一度覚えたドーパミンの快感を得るために、今までよりも多量のドーパミンを分泌するような行動を取ろうとします。

 

これが、依存です。

【関連記事】人の可能性を奪う変性意識からの脱却

 

この場合、ドーパミンの分泌を促すのがスピリチュアルの世界の話です。

 

スピリチュアルの経営者は、ドーパミンが分泌されやすいようにファンの気持ちを高揚させるような巧みな話術を使います。

 

今は動画サイトなどで、このような話を流し、聞いている人のドーパミンの分泌を促しセミナーへの参加や商品を購入するための導線として利用しています。

 

ドーパミンに染められた脳は、思考を司る大脳皮質前頭連合野の働きが弱まり、変性意識という脳のバグ(誤作動)を起こしやすく状態になります。

【関連記事】脳のバグ(誤作動)を起こす変性意識

 

そうなってしまうと、物事の分別が聞かなくなり、言われるがまま行動しようとします。

 

そうして、その経営者の進める高額な商品(パワーストーンやアロマ)や高額なサービス(占いやセミナー)などをじっくり考えることなく購入してしまうのです。

スピリチュアルによる変性意識カースト

引き寄せとかご利益とか言いながら、本当は、巧みな販売テクニックを駆使しているのが現実です。

 

ですが、アセンションや引き寄せによってビジネスが成功したように錯覚をさせ「〜さんと同じようにしたら、私も〜さんのようになれる」と勘違いをさせます。

 

例えば、

  • アセンション(次元上昇?)
  • 風の時代
  • 引き寄せの法則

など、

  • 何もしなくても精神性や霊力が高まる!
  • 自分の思い通りに引き寄せられる!

などと都合の良い言葉などを使って。

 

何の行いもせずに、

  • プラスのことを念じれば都合の良いものを引き寄せられたり
  • 時代が勝手に変わったり

などするはずもありません。

 

もし、何もせずに精神性や霊力が高められるたり、自分の思い通りに引き寄せられるとしたら、それは「変性意識」にどっぷりとはまり込んでしまっている証拠です。

 

これは、現実ではなく、脳の中で作り上げられた妄想です。

 

もちろん、言葉だけではなく、様々な手法を使ってファンを変性意識状態に誘導しているのです。

 

そう、これは、変性意識を巧みに利用したマインドコントロールなのです。

【関連記事】身近に潜むマインドコントロールの罠

 

冷静に考えれば分かるような話でも、ドーパミン過多で精神が高揚した状態では正常な思考ができなくなります。

 

そして、スピリチュアルな経営者自身も自己暗示をかけてアセンションや引き寄せによって成功させているように装います。

 

その理由には、3つあり、

  1. 罪悪感を消したい
  2. 変性意識カーストを形成したい
  3. カリスマになりたい

などの理由です。

 

ただ、これは無意識のうちに行っているかもしれません。

 

巧みな販売テクニックで人心をコントロールしていると、なんらかしらの罪悪感が芽生えると思います。

 

そして、その罪悪感は、とても不快な感情です。

 

そこで、自分自身がアセンションに選ばれた人間とか引き寄せに成功したと暗示をかけることで、その感情を打ち消すことができます。

 

とても不思議な話ですが、変性意識に深く陥ることで、自身の感情を打ち消すこと、正確には感じさせないようなことができるようになってしまいます。

 

そうすることで、自分自身が負の感情に苛まれることがなくなります。

 

また、深く変性意識に陥ることで、中程度の変性意識の人を引き込むことができるようになります。

【関連記事】変性意識カースト(人間関係に潜む背景)

 

そして、深い変性意識に陥ることで、

  • 霊的感覚が強くなったり
  • 人を惹きつけたり
  • ゾーンに入り潜在能力が引き出されたり

などと言う不思議な現象が起きます。

 

しかし、霊的な力、人を惹きつける力、潜在能力が引き出されると人より優れたものと認識され、

  • 大きく
  • 深い
  • 器の広い

人間に見えるように勘違いをされます。

 

見た目の雰囲気は、やさしく、包容力があるように感じられがちですが、実は、感情が希薄で、人に対する情けや愛情も軽薄で、自分のことしか考えていません。

 

その典型的なのが、新興宗教の教祖です。

 

このようにしてカリスマ的な指導者として強い発信力のもとにファンを操り、さらに多くのファンを集め、高額な商品とサービスを購入させることで多くの収益を得ているのです。

スピリチュアルに対する個人的な認識

このようなことが起きている背景には、スピリチュアルに対する誤まった認識があると思います。

 

そもそもスピリチュアルとは、カトリックでいうところの霊性(宗教心のあり方)のことを言っていたのです。

 

それが時代が下ると共に、特定の宗教に囚われずに、精神や霊、魂などのあり方という解釈になってきました。

【参考記事】ウィキペディア「スピリチュアル」

 

なので、見えない世界の不思議なことという解釈ではありません。

 

このように考えると、

  • アセンションや引き寄せの法則

はもとより、

  • ヒーリングやチャネリング

などもスピリチュアルとは直接関係ないと思います。

 

ただ、精神や霊、魂のように「見えない世界」というだけで。

 

なので、スピリチュアルを重きに置くとしたら、自身の精神性や魂という根源的なものを大切にしていくべきだと考えます。

 

そもそも、他力本願では精神性や霊力が高まることもありませんし、自分の思い通りに引き寄せられるわけもありません。

 

次元が上昇すれば、

  • 霊力が高まったり
  • 精神性が高まる

とか

  • 自分の欲しいものを引き寄せられる

などという都合の良い話などあるわけがありません。

 

なぜならば、精神性や霊力を高めるには、身体の感覚を高めることが必須だからです。

 

そして、自分の思い通りに引き寄せられるのではありません。

 

自分の人生にとって必要なものとしか引き寄せられないのです。

 

もし、引き寄せられるようになったとしたら、自分の身を削って得ていると思って間違えありません。

 

実際に、私も深い変性意識に陥ることで、気の滞りを見る能力を手にしました。

 

しかし、その代償に、自身の体の一部を犠牲にし、そのまま続けていれば命を縮めることになったかもしれません。

 

なので、深い変性意識に陥ることの効果とリスクは踏まえています。

【関連記事】自己催眠の危険性

 

スピリチュアルの経営者は、深い変性意識に陥ることによって自己暗示をかけ、自分に都合の良いようにイメージを膨らませ、そのイメージ通りに信者をコントロールしているだけです。

 

そう、自身の身体を生贄にして。

 

 

何より、自身にとって必要としない能力が得れたとしても、自身を成長させることはできません。

 

人には、生まれもった能力があります。

 

その能力は人それぞれ違います。

 

これが、個性です。

 

個性を生かすためには、自身の精神を高めることが必要だと考えます。

 

そうすれば、個性にあった能力を身につけることができるからです。

 

このことで、自身にとって必要なものとつながりを持つことができます。

 

そして、精神を高めるために必要なことが身体を磨きあげることです。

 

身体を磨き上げることで精神性が高まり、天地との繋がりが作られます。

 

そのために重要なものが、身体軸だと考えております。