前回の記事「徒歩通勤①(身体軸)」の続きです。
徒歩通勤を続けることで身体軸を強化することができたが、抗力のラインを背骨に通すためにはある程度の時間がかかった。
数ヶ月続けたことで抗力のラインを通す時間は短くはなったが、それでも十数分はかかっていた。
また、歩くという同じ動作を連続して行う動作には、体のアンバランスを知るにはいいきっかけになる。
どれだけ自身の身体の歪みを痛感させられただろうか。
身体の歪みが強いと身体軸を継続して保つことが困難だ。
歩くという動作を繰り返すことで歪みが少なくなり、身体軸を保つことができるようになったのだろう。
だが、歩くという動作で身体軸を作ることは容易ではない。
そして、歩くことで体の歪みを少なくすることも容易ではない。
まず、身体軸の感覚を知っていなければ不可能に近いだろう。
しかし、感覚を知っていたとしても、それを実現することは困難なことだ。
私は、手技療法師であったため左右のバランス感覚はとても重要であり、施術の成否は、バランス感覚の良さであると言っても過言ではない。
であるため、常に身体のセルフ調整を強く心がけていた。
ただ、自身で行えるのは筋トレやストレッチなど筋肉を適度に使うことで血行を良くすることだけ。
もちろん、筋肉を使って血行を良くすることは大切だ。
だが、体の歪み、ここでは動きのアンバランスを整えなければ身体軸が形成されないため、一部分に負荷がかかる状態を免れることはできない。
そのため、定期的に鍼やマッサージを受けに行っていた。
しかし、それではイタチごっこだった。
この負の連鎖を断ち切るためにも「セルフ調整法」を構築したかった。
セルフ調整法を構築する直接的なきっかけになった出来事はあった。
(大田式調整動作®︎の誕生秘話については、電子書籍「腰痛・肩こりを治したければマッサージに行くのをやめなさい」の第3章「生活習慣が体のトラブルを生み出す」の見出し「肩こりの原因がわかった出来事」に書いています。)
だが、徒歩通勤によってアイデアが浮かびやすくなったことで大田式調整動作®︎を構築することができたと思う。
もし、徒歩通勤をしていなければ大田式調整動作®︎を構築することはできなかっただろう。
実際に大田式調整動作®︎を構築しはじめたのが徒歩通勤を行うようになってしばらくしてからだ。
大田式調整動作®︎の原型となったセルフ調整を創意工夫していく過程で、身体軸を形成しやすくなったことは実感できた。
特に、徒歩通勤で身体軸を形成するのに時間がかからなくなったことは大きな変化だった。
今までは十数分かかっていたのが、数歩歩くだけで身体軸を形成することができるようになった。
大田式調整動作®︎の原型がおおよそ完成された頃には、歩く前から身体軸を形成できるようになっていた。
自ずと、歩く速度が上がり、通勤時間を短縮することができた。
そうすると、身体軸以外の箇所へも意識を向けられるようになった。
そうして自身の歩行を観察していくと、股関節と骨盤、肋骨と肩甲骨などの動きの大切さに気づくのだった。
そして、これらの骨のまわりに動き(運動エネルギー)の流れのようなものを感じるようになった。
そうすると、足の運びが良くなるのだ。
また、自身の後ろに意識を置くことで脚を後ろへ残しやすくなり、歩幅を広げやすくなることにも気がついた。
そして、自身のまわりに対する意識が高まることで身体の動きが良くなるという法則に気が付くのだった。
これが、空間意識®︎を発見するきっかけとなった。