20代の頃、呼吸法や臍下丹田、身体軸について色々と試行錯誤していました。
今回は、臍下丹田について気がついたことについて思い出しながら書きたいと思います。
臍下丹田について知ったのは、以前の記事に書いたように藤平光一氏の著「氣の威力」を読んでからだ。
その著にあるように「臍下の一点に心を鎮める」ことを実践すると心が落ち着くのを実感した。
さらに、以前よりも頭が冴えるようになり、勘が鋭くなったのだ。
その当時、とても不思議だった。
そのため、気が昂ったり、気が短くなったり、気分が落ち込んだりとした時に「臍下の一点」と呪文のように唱えていたかもしれない。
ただ、継続して行なっているとマイナスの面があることに気がついた。
マイナスに感じた点とは、
- 物事に対して冷めてくる
- 意固地になる
- 太る
などのことだ。
私は、その当時まだ若く運動も多く行なっていたため、大きく太ることはなかった。
だが、丹田に対する意識が強い人は例外なく太っているのは確認できた。
私的には、あまり太ろうとしたくなかったのもあったが、それよりも
- 冷めた目で物事を見る
ことや
- 人のことが気にならなくなる
こと
- 意固地になる
ことなどにデメリットを感じ、それ以来、丹田を極度に強くしたいと思わなくなった。
物事を冷静に見ることは大切である。
だが、冷静すぎて人の感情に鈍感になってしまうのも、我が道を行きすぎて他人に気を使えないのも、意志力が強すぎて意固地になるのも問題だ。
臍下丹田に意識を集中しすぎると、そのような心理状態になってしまう。
このような精神状態を、好まなく思わなかった。
それよりも、人を威圧しないように適度なコミュニケーションを図っていけた方が良い。
ただ、臍下丹田の意志力や生命エネルギーを高める働きは維持し続けたい。
そうして、様々な書などを読むうちに丹田には3つの丹田があることを知った。
日本では、古来より臍下丹田一択であったが、丹田の概念の発祥と言われる中国では三丹田説が有力である。
3つの丹田には諸説あるが、その中では上丹田=頭、中丹田=胸、下丹田=下腹部という説が有名だ。
私も、その説を採用している。
その根拠は、これらの部位は構造的にも、生理学的にも中心になり得る箇所だからだ。
これら3つの箇所を丹田とした方が、構造的にも生理学的にも無理がない。
そして何より、心身のバランスが良くなるのだ。
3つの丹田をバランスよく作ることによって臍下丹田のデメリットである事柄を解消することができる。
さらに、過度に臍下丹田を意識しなくても臍下丹田を強化することもできる。
その理由は、臍下丹田を上丹田、中丹田の下に重ねられることで、一番下になる臍下丹田が構造的に鍛えられやすくなるためだ。
その際に重要となるのが、中丹田だと考える。