私は、20歳の頃から呼吸法を実践してきました。
なので、呼吸法歴30年といったところでしょう。
その過程で、様々な呼吸法を実践し、構築してきました。
そして、現段階においては「呼吸をコントロールしようとしない」ということを導き出しました。
なぜそのような結論に達したのか?述べていきたいと思います。
呼吸法というと
- 息を長く吐いて
とか
- お腹を凹ませて
- おなかを膨らませて
とか
- イメージを使う
とか
- 体を少し動かす
など呼吸をコントロールものが一般的である。
私も呼吸法を行い始めた時には、イメージを用いながら長く呼吸をするような呼吸法であった。
そして、指圧の学校で解剖学や生理学を学び始めた影響からなのか、体の動きを取り入れた呼吸法へと変更していった。
俗に言う腹式呼吸である。
その以前から、自然に腹式呼吸になっていたため意識的な腹式呼吸を行うことに何の抵抗もなかった。
それが、大きな間違えであったことは数年後に思い知らされた。
腹式呼吸を習慣的に実践するうちに、全体的な身体能力の低下を意識しはじめたのだ。
私はスポーツをしていたのと、歌うことが好きであったため、これらのことに顕著に現れた。
はじめのうちは、「30歳になって老化してパフォーマンスが落ちたのかな?」と程度の認識であった。
だが、違った。
身体能力の低下を牽引していたのが意識的な「腹式呼吸」だったのだ。
なぜ、そのことに気がついたのか?というと当時病院勤務をしていた時に、休日にリハビリ関係の講習会を受講していた時だった。
その講習会の内容が「呼吸器リハビリ」であった。
その講習の中で言われていたことは、今までの呼吸の認識とは大きく異なっていた。
その内容を端的に言えば、「呼吸は肋骨の動きが大きなウェートを占めている』ということだった。
私のそれまでの認識は、横隔膜が下がりおなかが膨らみ、おなかを引き締め横隔膜を押し上げるという認識だったからだ。
肋骨にフォーカスしているので、腹式呼吸も脇腹を締めるような方法であった。
そして何より「肋骨を広げる」と言う考え方が意外であった。
その理論には理解はできたが、内心「それでは胸式呼吸なのでは?」と思い、受け入れられないでいた。
その当時、胸式呼吸は浅い呼吸の代名詞みたいなものだったため、腹式呼吸が良い呼吸だと思い込んでいた。
だが、この講習のことはなぜか記憶に強く留まっていた。
その後も、腹式呼吸を多く行ってきた。
パフォーマンスが落ちるのを感じるたびに呼吸法をさらに熱心に行ってきた。
その数年後、パフォーマンスの低下は止まることなく、さらには体調を崩しはじめるようになってきた。
呼吸法を検証し続けたある日のこと、いつの間にか逆腹式呼吸ができるようになったのだった。
そうすると今までよりも深い呼吸を行えるようになったのだ。
私は、それまで息を吸う時におなかが凹み、息を吐く時におなかが膨らむ逆腹式呼吸を非合理的な呼吸だと思い込んでいた。
実際に私自身も自然に息を吸えばおなかが膨らみ、息を吐けばおなかが凹むという腹式であったからだ。
だが、様々な呼吸法を構築する過程で、胸郭を広げるような呼吸の方が息が多く入ることは確認していた。
おなかを膨らませるように息を吸った後、胸を膨らませるようにすると息が入っていく。
だが、胸を膨らませるように息を吸った後におなかを膨らませようとしてもほとんど息は入らない。
そのことに気がついた当時は、その理由について解明できいなかった。
だが、逆腹式呼吸を検証していくうちに、幾つかのことに気がついた。
呼吸についての検証を続けてきた下地があったため逆腹式呼吸ができるようになったのだろう。
- 腹式呼吸は正しい呼吸。
- 逆腹式呼吸は不自然な呼吸。
今にして思えば、それはただの思いこみだったのです。
ですが、逆腹式呼吸が正しい呼吸ではありません。
そもそも、呼吸に腹式も逆腹式も存在しません。
それは、どういうことなのか?
次回の記事では、呼吸のメカニズムについて述べていきたいと思います