古来より、手当てや手かざしなどの療法の存在が知られている。
手を当てるだけで、もしくは手をかざすだけで痛みや不調が解消できると謳われているため怪しいもののように思われるかも知れない。
私も以前はそのように思っていた。
だが、指圧療法を行っているうちに
「ただ抑えているだけなのに筋肉の緊張が解けていくのだろう?」
という漠然とした疑問を覚えるようになっていた。
よくよく考えればそうだ。
ただ、抑えるだけで良いのであれば誰が行っても効果があるはずだ。
さらに言えば、道具や機械を使っても同様な効果を出せることになる。
しかし、施術者によっても患者さんによっても、その効果はまちまちなのだ。
そのため、科学的根拠(エビデンス)を得ることが困難であり、療法としての存在意義を見出せないのも手技療法の問題点でもある。
そして何より、物理的な力を作用させることで筋肉の緊張が解けること自体、その理由については不明である。
そうした中、今から10年ほど前にレイキヒーリングの存在を知った。
手当や手かざしなどについてはそれ以前より知っていたが、レイキについては知らなかった。
手かざしの海外版のようなものなのかな?と思ったのだが、レイキという言葉が日本語のような気もしていた。
レイキは漢字で霊気と書き、大正時代に発祥した日本の療術の一つであった。
大正時代には、さまざまな療術が誕生したと言われ、私の習った指圧も大正時代に発祥したと言われている。
霊気は、日本で広まることなく細々と受け継がれてきたのみで、むしろ海外で広く広まり、十数年前に日本で逆輸入という形で入ってきたようだ。
そうするうちに、細々と受け継がれてきた霊気が日の目を見るようになってきた。
私が、日本版の霊気を知ったのは知人の紹介で知り合った人からである。
その頃、私の手技は手当に近いものになっていた。
もちろん、物理的な圧を加えてはいたが、わずかな圧で行うようになっていた。
ある意味、ヒーリングである。
なので、霊気に対して抵抗は少なかった。
実際に、その方のヒーリングを受けて不思議だったことがあった。
基本的に霊気は、頭の側面にひたすら手を当て続けることが基本みたいだ。
最初は、そのことに懐疑的であった。
症状があったり、霊気でいう病腺に手を当てた方がいいのでは?と。
だが、その効果を実感するのに多くの時間を要しなかった。
しばらく頭の側面に手を当ててもらっていると内臓の働きが活発になっていることに気がついた。
それは、とても不思議であった。
そうしているうちに、違和感を覚えていたところも楽になっていたのだ。
「もしかしたら、家内にも効果があるのでは?」
と思った。
以前、家内はメンタルをやられており、その当時はだいぶ改善されてはいた。
だが、気の感覚に対して敏感なところが残っており、常に頭にジビジビとして感覚に悩んでいた。
この話をしたら、家内も関心を持ち、霊気を受けることを承諾した。
そして、後日、家内も霊気を受けることになった。
家内にも頭に手を当てる方法で霊気をはじめ、数十分の霊気で長年悩んでいた頭のジビジビが取れたのであった。
これは、私も不思議であった。
それ以降、レイキヒーリングについて関心を持つようになった。
その霊気ヒーリングの先生は、ヒーラー養成の資格も持っているとのことだった。
はじめは私が、ヒーラー養成の講座を受けようと思ったのだが、家内と話あったところ、家内が講座を受けることになった。
よほど頭のジビジビが取れたことの印象が強かったのだろう。
後日、家内がその講座を受けて帰ってきて、さっそくヒーリングをしてもらった。
そうしたら、家内の手が変わっていたことに気がついた。
そう、霊気の先生と同じ手になっていたのだ。
1日だけの講座であったが、こんなにも変わるとは夢にも思わなかった。
ふと、家内の頭の上を見る(霊視?)と頭の上に煙突のようなものが見えた。
指圧の仕事をしているうちに霊視みたいなことができるようになっていたので、煙突状のものを見ることができた。
私も同様なものをイメージして作ってみると同じような手になったのだ。
なるほど、これが霊気の正体だったのか!
霊気とは、頭の機能を高める方法だったのだ。
頭には、体の制御を司っている脳が入っている。
脳は、思考や感情ばかりではなく、運動や感覚などの神経系、身体機能の調整、内臓の働きの調整なども司っている。
そのため、脳に大きな負担が強いられると身体機能の調整や内臓の働きも悪くなる。
そこで、患者さんに頭の意識を向けさせることで脳の機能が高まり、脳の働きバランスが整い、身体機能や内臓の働きが良くなるという仕組みである。
自分自身の力で治ろうとする力「自然治癒力」を高めるために、術者が仲介者となっているのだ。
だが、レイキなどのヒーリング系のエネルギーワークは脳に過剰な負担が強いられる。
そのためなのか?講座によって付けられた煙突のような装置は、時が経てば消失するようになっているようだ。
一時的に装置をつけることで霊気でいう病腺(気の滞り)の感覚を身につけてもらうのが目的なのだろう。
であれば、その原理を知れば、霊気ヒーラーの手を借りなくても自身でヒーリングを行うことも可能であると言える。
ただ、煙突のような霊気装置は常に付け続けない方が良い。
実際に、私自身もセルフケアにヒーリングを用いている。
私は、掌の上にヒーリングのための空間意識®︎を作る方法を用いている。
そうすれば、頭にかかる負担をなくすことができる。
あと、極力、他者ヒーリングを行わないようにする。
やっても家族ぐらいに留めておいた方が良いだろう。
それより、自分自身で行うセルフヒーリングの方が相性が良い。
ちなみに、私は下腹部に手を当てるセルフヒーリングをよく行っている。
あと、症状のある所へ手をかざすようにするセルフヒーリングを行うこともある。
セルフヒーリングを覚えておくと、怪我をした時の治りが早かったり、不調が軽減したり、精神的ストレスがかかったりした時のメンタルケアにも役立つので重宝している。