前回の記事で過度な運動の弊害について書きました。
今回は、安全に筋トレを行うための方法について書いていきたいと思います。
近年「ダイエットには有酸素運動よりも筋トレを行った方が効果的だ」と言われるようになってきました。
そのためか、筋トレに励む人も増えているように思います。
ですが、なかなか継続することが難しいようです。
多くの人は、筋トレに対して、
- 力いっぱい行わなければならない
- 多くの回数を行わなければならない。
- 頑張って行わなければならない。
- 筋肉がプルプルを振るまでやらないといけない。
- 翌日、筋肉痛になるまで行わなければならない。
- 毎日、行わなければならない。
などと思っている人が多いからだと思います。
筋トレは、
- 力いっぱい行わなくっても良い
- たくさん行わなくても良い
- 頑張る必要はない
- 筋肉がプルプル振るまではやりすぎ
- 筋肉痛にならない程度にほどほどにとどめる
- 体を休めることも大切
なのです。
筋肉をつける上で大切なことが
- 筋肉に負荷を与える
- タンパク質などしっかりと栄養を摂る
- 睡眠をしっかり取る
ことです。
筋肉に負荷を与えることは必要ですが、いきなり大きな負荷を与えれば良いわけではありません。
特に、初めて筋トレを行うのであれば、大きな負荷は必要ありませんし、回数も必要ありません。
ただ、筋肉に「この程度の重さを持ち上げますよ」と刺激を与えるだけで良いのです。
そうすると、筋肉が「いつかこの程度の負荷がかかるかもしれない」と思い、それに耐えるために備えようとします。
これが、筋肉が発達する原理です。
なので、筋肉に刺激を与えられるだけの負荷で大丈夫です。
ですが、筋肉に刺激を与えるだけでは筋肉をつけることはできません。
筋肉を作る材料がなければなりません。
そう、栄養です。
筋肉の主成分はタンパク質なので、タンパク質の摂取は必須です。
タンパク質といえば、お肉を連想するかもしれません。
お肉はタンパク質の性質が人体に近く、効果的であることは確かです。
ですが、想像よりもタンパク質の割合は少なく、脂質が多いため、必要量のタンパク質を摂れない可能性もあります。
同じ肉でも、鶏肉(はね肉やささみ)や魚などは脂質が少なく、タンパク質の割合が多いです。
あと、大豆にも多くのタンパク質が含まれており、脂質が少ないです。
ですが、鶏肉や魚は、哺乳類である人体とは異なるタンパク質の構造となっているため、消化吸収の効率が低いと考えられます。
ましては、大豆に至っては植物であるため、人体とは大きく異なります。
ですが、栄養素はタンパク質だけではないので、それぞれの食品の特性を踏まえて多くの食材をバランスよく摂ることがおすすめです。
そして、何より休息、すなわち睡眠が最も大切です。
せっかく筋トレをして栄養を摂ったとしても体が疲労していたり、睡眠不足であったら意味がありません。
筋肉は夜、寝ている時に作られるからです。
睡眠中に成長ホルモンが分泌されます。
成長ホルモンというので、成長期にしか分泌されないと誤解されてがちですが、そうではありません。
成長期が終わっても、分泌され続け、日中に傷ついた箇所の修復、脂肪の燃焼などの働きに深く関係しているのです。
このように、夜間、休んでいる間に筋肉が再生され、さらに刺激に耐えられるように強化されます。
このことを「超回復」と言います。
ある意味、筋トレで一番大切なのが睡眠だと言っても過言ではありません。
そして、休息。
筋肉を使い続ける状態にしないことです。
もし、筋肉を必要以上に使い続けようとすると、体内のエネルギーが枯渇してしまい、筋肉を分解して燃料として使おうとしてしまいます。
このことを「横紋筋融解」と言います。
なので「筋肉をつけたい」と思うのであれば、過度な筋トレを控え、しっかりと休ませることです。
筋トレを熱心に行う人は、毎日ジムに通っていますが、同じ箇所を続けて行っていません。
月曜日は胸まわり、火曜日は肩まわり、水曜日はお尻まわり、などというように、日毎に鍛える部位を変えながら行っています。
このような方は、多くの回数、大きな負荷をかけていますが、筋トレを続けることで多少の負荷では筋肉に刺激を与えられなくなっているためです。
なので、はじめたばかりの人が熟練者の行っていることを間に受けてはいけません。
最初のうちは、比較的軽め、数回ぐらいでも筋肉をつけることができます。
ただ、動かすフォームは大切です。
正確に動かすことで、目的とする筋肉を刺激できるからです。
私は、ダンベルを用いたり、懸垂を行ったりしていますが、身体の構造を知らない人には向きません。
正確に動かすことが難しく、効果的に筋肉をつけることが難しいことと、筋肉や関節を痛めてしまうリスクを伴うからです。
なので、ジムなどにあるマシンを使用した方が良いでしょう。
マシンであれば、負荷を調整できますし、正確に動かしやすいので体を痛めるリスクが少なく、筋肉をつけやすくなります。
あと、栄養についてです。
基本は、バランスの取れた食事です。
ですが、食品からだけで必要量のタンパク質を摂ることは困難なので、筋トレを行うのであればプロテインを併用しても良いと思います。
タンパク質の推奨摂取量は、体重1kgあたり0.8gだと言われ、体重50kgであれば40gであります。
筋トレをするのであれば、それよりも多く摂った方がいいと思いますが、体重あたり2.0g以上摂っても効果は期待できないとも言われ、過剰摂取により腎臓を痛めるリスクも伴います。
なので、多く摂ったとしても体重50kgであれば100g未満に留めておくことが無難でしょう。
あと、プロテインも一度に摂取するのではなく、小分けに摂取した方が吸収されやすくなります。
筋トレと言っても、筋肉に負荷をかけることだけではありません。
あくまでも、無理のない範囲で負荷をかけ、適度な食事、そして睡眠と休息、全てを含めて筋トレと考えれば、無理なく長続きすると思います。
身体に適度に刺激を与え、よく食べて、よく休む。
これこそが、私の思う筋トレの方法です。
次回の記事で、新しいカタチのストレッチについて書きたいと思います。