ダイエットのために、
- ジムに行かなければ
- 食事制限をしなければ
などと思う人も多いかもしれません。
でも、そんな時間をかけなくても、体の使い方次第では、家事をエクササイズにすることだってできるのです。
ただ、普段の生活に体の使い方を意識するだけ。
それだけで、身体が引き締まってきます。
私自身、特別、ジムに通って筋トレや有酸素運動など行っていなくても若い頃のスタイルをキープすることができています。
それを可能にするのが、脱力動作です。
家事でスタイルを良くするための4つのポイントを見ていきたいと思います。
二の腕を引き締める肘の使い方
緊張した時に「肩の力を抜いて」と言われたことはありませんか?
緊張すると肩に力が入ってしまうのは人の常です。
その理由は、肩を動かしている僧帽筋いう筋肉を支配している副神経が脳から直接出ており、脳が緊張するとダイレクトに副神経が反応して肩を上げてしまうからです。
なので、精神的ストレスを感じると、すぐに肩に力が入り、ついつい固まってしまいます。
また、「重い物を持ち上げよう」とか「細かい作業って苦手」などと思ってしまうだけで精神的ストレスがかかり肩に力が入ってしまうのでしょう。
ですが、肩に力が入ってしまうと物事をうまく行えなくなります。
その上、姿勢も悪くなってしまいます。
肩を落として肘を柔らかく使う動作を覚えることで、
- 美しい所作
- ストレスフリー
- 腕を引き締める
などの効果があります。
【重い物を持ち上げる時】
物を持ち上げたりする時に肩を上げて持ち上げている人を多く見ます。
このような動作は、無意識のうちに行われているため自覚することはありません。
特に腰より上にある重い物を持ち上げようする時に多く見られます。
その人自身の感覚では目一杯力を入れているように感じるみたいですが、それとは裏腹に筋出力は弱く、たいして力が出ていません。
持ち上げる時に肩を上げている人の特徴は、
- まず、脇が開いています。
- 脇が開くと肘が体の外側を向きます。
- そして、親指から中指に力を入れています。
このような持ち方は、効率よく力を出せないばかりか、はたから見ていて美しくありません。
人の感覚というものが、どれだけあてにならないものなのか。
脱力に必要性があるとするならば、あてにできない感覚に囚われずに、効果的に効率良く力を発揮することなのでしょう。
では、どのようにすれば良いのか?
重い物を持ち上げるために気をつけないといけないことは、
- 肩を落とす
- 脇を閉める
- 肘を下げる
- 小指と薬指で持つ
などです。
これらのことは中国拳法でも「沈肩墜肘(ちんけんついちゅう)」と言われて重要とされています。
これらのポイントは、全部を意識する必要はありません。
- 脇を閉める
- 肘を下げる
- 小指と薬指で持つ
このうちの一つでも心がけるだけで、自然と肩が落ちるようになっているからです。
これが重い物を持ち上げる時の美しい脱力動作です。
【細かい作業を行う時】
これとは反対に、細かい作業を行う時にはどのようにすればいいのか?
細かい作業が苦手な人も肩を上げるようにして作業しています。
この時に肩を上げてしまう人は、
- 脇を締めて
- 肘を下げ
- 手首を折って
窮屈そうに作業しています。
このような体の使い方では、見た目も美しくない上に、作業効率も悪く、手首を痛めたり腱鞘炎になったりします。
細かい作業を行う時に心がける点は
- 肩を落とす
- 脇を開く
- 肘を張る(外側に向ける)
- 親指と人差し指と中指を使う
これが、細かい作業を行うためのポイントになります。
脇を開く、肘を張る、親指と人差し指と中指を使うといった動作は、先ほどの重たい物を持ち上げる動作では良くないと言った動作ですが、細かい作業を行うためには必要なのです。
作業の内容によって、動作の仕方が変わるのは当たり前です。
ですが、腕を使う動作を行うための原則は
- 肩を落とす
ということには違いありません。
ヒップを引き上げる膝の使い方
低いものを取ろうとする時、膝を伸ばしたまま取ろうとしていませんか?
私は元々指圧師でしたので、ぎっくり腰の施術なども行なっていました。
その原因を聞くと、たいてい下にある物を取ろうとした時、それも軽いものを取ろうした時に「グキッ」としたと言われます。
意外と重いものを持とうとする時にはならないものです。
重いものは、膝を曲げ腰を落として取ろうとします。
しかし、軽いものは横着して膝を伸ばしたまま腰が高いまま取ろうとしてしまいます。
腰にとっては、体幹を前屈みにするだけで大きな負担がかかります。
その上、物を取ろうとすると、さらに大きな負担がかかるのです。
このような負担は、自覚をしないうちに蓄積されます。
これらによって、腰の負担が大きくなり、腰背筋を損傷して急激な痛みに苛まれます。
これが、筋筋膜性腰痛、俗にいうギックリ腰です。
しかし、ぎっくり腰の大きな原因は腰背筋にかかる疲労の蓄積ではありません。
脚(太もも)と腰(お尻)の筋力と柔軟性の低下なのです。
これらの筋肉がしっかりしていれば、多少無理な姿勢を取っても損傷しません。
太ももとお尻の筋肉が、しっかりとカバーしてくれるからです。
なので、太ももとお尻の筋肉を鍛えることが重要とも言えます。
さらに、太ももとお尻の筋肉は若さと健康のバロメーターでもあります。
人は、脚と腰で身体を支えているからです。
体の筋肉のほとんどが下半身に集中しており、全身の筋肉の約7割を占めると言われます。
ですが、加齢と共に筋肉の量が減ってきます。
特に、50歳を過ぎたあたりから急激に減るとも言われています。
なので、太ももとお尻の筋肉を鍛えることで基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなり、身体が締まってきます。
ですが、これらの筋肉は特別なトレーニングをしなくても鍛えられます。
日常生活動作を気をつけるだけでも十分に効果的です。
気をつけることとは?
- 膝を柔らかく使うこと
具体的に言うと、低いところの物を取ろうする時には、必ず膝を曲げて腰を落して取ることです。
そうすると、膝と同時に股関節も曲がり、立つ時に膝と同時に股関節も伸ばす時に太ももとお尻の筋肉が使われます。
下半身にある大きな筋肉は股関節の周りに集中しており、これが太ももとお尻の筋肉です。
股関節を中心に膝を柔らかく使う動作を心がけるだけで全身の筋肉量を増やせます。
ということは、意識的にしゃがむ動作を行うだけで日常生活でスクワットを繰り返すことになります。
腰痛を予防できる上に、
- ヒップアップ
- 美脚効果
など、スタイルまで良くなります。
その上、お金もかかりません。
若返りの秘訣は足の裏にあり
日常生活の中で、足の裏を意識することはほどんどないと思います。
ですが、足の裏を意識しているか?そうでないか?が脱力動作を行う重要なカギになります。
脱力できなければ、背骨主導の動作が行えないため筋肉や関節などに負担がかかります。
このことで、痛みに苦しんだり、体型が崩れたり、とするのです。
ただ、足の裏を意識するだけではなく、足の裏の体重の乗り方が重要です。
例えば、料理をするとします。
台所に立って、包丁を使って食材を刻んだりする
このような何気ない動作によって体型が崩れてしまっているとしたら?
普通の人は、自分が「どのような動作を行なっているのか」なんて意識していませんが、たいていの人は、無意識のうちに体を傾けています。
人には、利き手があるように利き足と軸足があります。
利き足は、片足で立った時に動かしやすい足です。
軸足は、片足で立った時に体を支えやすい足です。
何気ない動作を行っている時、どうしても軸足に体重を乗せてしまいます。
これは無意識に行われているので、自分で気がつきません。
なぜ、このようなことをしてしまうのか?
と言いますと、軸足に体重を乗せやすいように体幹部を歪ませているからです。
この歪みによって、軸足に体重を乗せた方が安定します。
身体が安定していた方が手先の動作がブレずに行えます。
ですが、軸足に体重を乗せてしまうと股関節の動きがロックされてしまい、身体を動かしにくくなります。
そうなると、股関節を中心とした動きができなくなります。
このことで、脚の筋力と腰、おなかの筋力が衰えてしまいます。
中年を越えてお尻が垂れ下がったり、おなかが出てきたりするのは、そのせいです。
また、股関節の動きがロックされると、他の筋肉や関節に負担がかかり、肩こりや腰痛といった不快な症状に苦しむ原因ともなります。
軸足に体重を乗せてしまうという悪い癖を毎日続けることで、不快な症状とスタイルの崩れを起こすという残念な生活を送ってしまうのです。
そうならないためにも、足の裏にかかる体重の乗り方に意識を向けて見ることを強くお勧めいたします。
すでに、そうなってしまっていても諦めることはありません。
人の筋肉は、90歳を越えていても鍛えることはできます。
なので、今からでも遅くありません。
- 継続は力なり
何気ないことでも、毎日意識するだけで人生を大きく変えることができるのです。
おなかを引き締める背骨の使い方
脱力した動作を行ううえで大切なことがあります。
それは、物事を行う時、必ず体の正面で行うことです。
なぜ、体の正面で行う必要があるのか?
その理由は、人の動作は背骨主導で行うようになっているからです。
しかし、手足を自在に動かすことの出来る人間は、背骨の動きを疎かにしてもごまかして動かすことができてしまいます。
なので、背骨の位置がズレていても動くことができます。
しかし、それが故に、体に負担がかかり痛めやすくなるのです。
肩こりや腰痛、五十肩、膝痛といった運動器疾患の大きな原因が、背骨主導の動きを無視した結果とも言えます。
また、背骨主導の動きを無視することによる弊害に、肥満があります。
特に加齢による肥満は、背骨主導の動きを無視した結果とも言えます。
この原因は、背骨主導の動きを行う際に働く腹横筋という腹筋のインナーマッスルが働かないことによっておなかがたるみ、たるんだ腹部を守るために脂肪が蓄積するためです。
脂肪が蓄積することにより重心が前にズレて、それによってさらに背骨主導の動きがしづらくなり、脂肪の蓄積が止まらなくなるという悪循環に陥ります。
背骨主導の動きを取り戻すことが、肩こりや腰痛の改善、腱鞘炎や五十肩、膝痛の予防、肥満の予防と体型の改善などにつながるのです。
- 体の正面で物事を行うこと
これは、日常生活で行えることです。
常に、このことを心がけることで
- 体質改善はもちろんのこと、
- ウエストが引き締まる
- 脂肪が燃焼される
などのフィットネス効果が期待できます。