新たなことを習得しようとする時、多くの時間がかかります。
それは、物理的要件に沿わないからです。
物理的要件という言葉は聞いたことはないと思います。
この「物理的要件」と言う言葉は私が作った造語で、動作を行なうのに必要な筋力や柔軟性などのことで、コンピューターでいうとハードに当たります。
いくら良いソフトをインストールしてもハードの容量が少なければ、ソフトを使うことができません。
身体動作においてもハードの構築が特に重要です。
身体においてハードは身体、ソフトは意識と言えます。
動作に体が伴わなければ、いくら意識を働かせても動作を行なうことはできません。
ですので、動作に応じた体を作るために多くの時間が費やされます。
まず、ひとつ考えられることは、脳のプログラムを構築するための時間が必要だということです。
動作を脳にインプットする際、脳細胞間にシナプスをつなげることで回路を作ることが必要になります。
そして、筋肉や骨、神経といった器官は生成するために、さらに時間がかかります。
新しく覚える動作に対して、それらの器官が出来上がらなければ、その動作を行なうことができません。
それは、身体の物理的要件が整わないからです。
新しい技術は、身体の物理的要件が整わなければいけませんので、習得に時間がかかります。
しかし、そのような技術は意外に多くありません。
実は、日常生活で行なわれている動作を応用したものも意外に多いのです。
本来、そのような技術はすぐに習得されそうなものですが、それでも習得に時間がかかってしまいます。
それは、日常生活の動作は無意識のうちに行なわれているためです。
例え類似した動作でも、脳には全く異なる動作だと認識されれば、習得することができません。
そのため、新たに動作のプログラムを作ろうとしてしまいます。
そのため、必要以上に習得に時間がかかるのです。
なので、無意識の内に行なわれている動作を顕在意識下に落とすことができれば、意外に習得を早めることが可能になります。
無意識の動作を意識化する方法を知る。
このことで、困難と思われることでも習得することが可能となります。
※スポーツや楽器の演奏などは、日常生活動作と大きくかけ離れているものが多いため、専門的な体(ハード)を構築する必要があります。
ある一定以上のレベルに対して専門的な動作に対応できない身体であれば技術の習得が困難なため、ある意味、才能に依存してしまう側面もあるように考えます。
2024年12月12日 追記